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4月28日
2:58
あれこれ考えていると、もう3時近くになっていた。
少しくらいは寝ておかないと、と思い目をつぶった瞬間、
グワァーン、グワァーン
グワァーン、グワァーン
静寂とは呼べない雰囲気の中、突然ドラのような激しい音が辺りに響いた。
寝ずに騒いでいた一部の囚人達も、何事かと騒ぎを止め、音のする方を一斉に見た。
「物共よく聞け!今から札幌へ突撃だっ!
おれについて来いっ!」
サカモトが自衛隊から奪った装甲車で走り出した。
囚人達は何が起きたのかすぐには理解できずに唖然としていたが、至る所から、うおぉーという声が上がりサカモトの後を追いはじめた。
うおぉー
うおぉー、うおぉー
ぐおぉー、ごおぉー
ごおおおおぉぉぉぉぉ
囚人達の叫び声と突撃する重車輌の音が混じり、大地が震動しはじめた。