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20:30 札幌郊外
「明朝5時、札幌市街へ突入する!
目指すは札幌のシンボルの時計台だ!
ここを占拠し、勝利の鐘を鳴らす!
時計台の鐘の音が、独立宣言となり、新しい国を創るのだ!」
札幌へと進撃している囚人集団を取り仕切っている、サカモトが高らかに声をあげた。
それに呼応するように周りの囚人達が雄叫びをあげる。
「各自、明朝の作戦決行に向け、休むこと、以上!」
サカモトの演説が終わり、おれら4人も休むことにした。
明日の計画は、まず、囚人達の札幌侵攻に合わせて、札幌方面へ向かう。
戦闘が激化するギリギリのところで、囚人軍を抜け出す。
そして、札幌を突破し函館方面へ向かう。
札幌が一番政府軍の防衛が厚く、そこを突破しさえすれば、あとは意外とすんなりと青函トンネルまで行けるというのがおれの算段だった。
なんとしても新潟まで行かなければならない。
そして真実を自分で確認しなければならない。