2/2
兎とか、何の冗談だ。
かすかな光を頼りに外に出てみれば・・・。
やはりというかなんというか、樹齢何年ですか?あ、千年ですか、そうですか、すごいですね。みなさん同い年くらいですか?そんな気がしてたんですよねぇ、木だけに。
平時でさえ脈絡がないことに定評がある澪の思考はまさに、鬼に金棒、焼け石に水、石橋をたたいて渡れほととぎす。
ごろごろ、ぐるぐる、服が汚れるのも気にせずジタバタしている澪のことを諌める人などいるはずもない。
どれくらい時間が経っただろうか。
それはまさに自損事故。
飽きもせずにごろごろしていた澪は何を思いあまったのか、自分なりに恰好をつけて飛び起き、颯爽と走りだした。
気分はヒーローかばったの人造人間か、はたまた完全無欠のヒロインか。
このコンマ数秒後、案の定彼女の悲鳴が響き渡った。