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freedom

朱鳥ワールド炸裂です☆

「まっ…まだ…ですか?」光がもぞもぞと身動きをする。

「まぁだ!…もうっせっかちさんねぇ。」朱鳥が手を止めずに言う。

「…はぁ。」

(ついていけない。)光は心の中で思った。

光は朱鳥に診察室の隣の休憩室に強引に連れ込まれ、化粧されていた。朱鳥の勢いに抵抗しても無駄だと悟った光は大人しくされるがままになっていたのだ。

(悪い人ではないけど…。)と考えていたが、

「できたわよん。」という朱鳥の声で我に返る。

「服はっ…と。」自分で持ってきた荷物をゴソゴソと探す朱鳥。

どうやら女装させて女物の服やらを買いに行かせる気らしいことに、やっと気づいた光。

(けんちゃんのアンポンタン!)心の中で叫ぶ。

「コレなんかどう?…かわいいでしょ?」ズイッと自慢気に朱鳥が出したのは露出度の高いミニスカートだった。

「オレ、男なんですけど…。」分かっているとは思うが、改めて主張する光。

「クスッ…やぁね、冗談よぉ。」朱鳥は笑うが、さっきは冗談という感じはしなかった。

「あ、こっち!こっちは!?」という朱鳥に対し、どうせ着せられるだから、もうどうでもいいという気持ちで、

「いいんじゃないですか?。」と、ろくに見ずに投げやりな返事をした光。

朱鳥が勧めてくれたのは、意外にも普通な白いチュニックだった。

「まぁメイクもナチュラルにしたからね。これなら光ちゃんが今はいてるジーパンでも合うし。…本当はレギンスかトレンカを合わせて欲しいケド…?」変な期待の目を向けられ、

「…あ、じゃあこれ借ります!」と慌てて話を切り換える光。

「じゃあアタシ賢のとこいるわねぇ。」ヒラヒラと手を振って、休憩室を後にする朱鳥。


「んで…こうなった、と。」コーヒーを啜りながら俺が言うと、恥ずかしいのか俯く光。

「何かもっと無いの!?かわいいよとか、せめて似合うよくらい…。」光の隣で朱鳥が反論する。

「別に。てか、似合うとか似合わないとかの問題じゃないだろ?」

(何を言い出すんだ、このオカマは。)と白々しい目を向けると、

「なんか今失礼なこと思った!?」とさらに声を大きくする朱鳥。

「とりあえず…行ってきます。」釈然としない顔で光が家を出ようとする。

「あーさっさと行ってこい。このヒステリーがうるさいから。」頬杖をつく振りをして軽く耳を塞ぐ。

「だ、れ、が!ヒステリーだぁ!!」地声の低い声で朱鳥が叫ぶ。

「自覚ねぇの?…末期だな。」ふぅと溜め息をつく。

そんなやりとりを耳にしながら、ただただやりきれない気持ちでいっぱいの光だった。



賢と朱鳥の過去も書きたいなぁなんて思ってます!ヒロインは愛のつもりですが、この話では蚊帳の外ですね(汗)

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