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さいほうやさんと星座のひみつ

作者: あめ
掲載日:2026/01/03

ママは言った。「星座はさいほうやさんがあんでるんだよ。」って。


子供から大人まで、違った視点で楽しめる童話です。

懐かしい夢を見た。


その日は、いつもより空がきれいだった。ほのかは芝生に座って、ぼんやりとキラキラ光る星を眺めていた。そろそろお家に帰らないと、ママに叱られちゃう時間だ。


すると、芝生の向こうからママの声が聞こえた。

「ほのか、どこに行ってたの?」

「ごめんね、ママ。あのね、星がとってもきれいだったの。」


ママは空を見上げて、にこにこと笑った。

「あら、本当ね。さいほうやさんが頑張ったのね。」


「さいほうやさん?」

「そうよ。星座をあむ人。」

「星座を?」


ママの言葉は、時々ちょっとふしぎで、ほのかにはよくわからない。

「大人になると夢はあんまり見られなくなるけど、大人になってから見られる特別な夢もあるのよ。」


ほのかは、ママの笑顔を見ながら、少し不思議な気持ちになった。

「さぁ、そろそろ帰ろっか。ちょっと肌寒くなってきたし。」


ほのかは目を覚ました。頭が少し痛かったけど、熱はもう下がったみたいだ。時計を見ると、夜中の0時。そっと伸びをして立ち上がる。


変な時間に目が覚めたから、上手く眠れなくなっちゃったや。熱でずっと家にいたから、久しぶりに、ちょっとお散歩でもしよう。


ドアを開ける。風が冷たくて、ちょっと気持ちいい。なんだか悪いことをしているみたいだ。顔をあげると、銀色の毛糸が揺れている。何だろうと思って目で追うと、星たちがきらきらと繋がっていくのが見える。ほのかはドキドキして、その光を追いかけた。


森の中の小道を抜けると、小さな家があった。窓から、ちいさな手が針と糸で星をぬうのが見える。こっそり見ていたら、「そんなところで見てないで、入って来なよ。」と声をかけられる。言われた通り入ると、ちいさな人は星を編んでいた。


「さいほうやさん…?」

むかし、ママが言っていたことを思い出す。

「よく知ってるね。そうだよ。夜空の星座はぼくが作っているんだ。」

さいほうやさんはそう言いながら、テキパキと星を編んでいく。

「でも、星座に線は引かれてないよ?」

「そうだね、引かれてないよ。かに座も、ふたご座も、そう見えるだけさ。」

「そう見えないよ?」

「あはは、ならぼくもまだまだだね。」

「なんで星座を編むの?」

「星座は願いごとを知ってるからね。」

「願いごと?」

「そうだよ。小さな糸をほどくだけで、大きな奇跡が起こるんだ。」

「どうして?」

「どうしてだろうねぇ。」


さいほうやさんはくすくすと笑う。

大人になってから見られる特別な夢。ママの言葉を思い出す。

大人になっても、知らないことがたくさんだ。


「今日はもう終わり。続きはまた今度。」

「また来てもいい?」

「たどり着けたらね。」


さいほうやさんがパンッと手を叩くと、ほのかは自分の家にいた。夜空にかかる小さな魔法。きっと、知らないことがもっともっとたくさんある。


気がついたら眠ってたみたい。昨日は色々あったからなぁ。窓の外の空はまだ少し夜の名残でうっすらと光っていた。さいほうやさんや、星をあむ手は、夢だったのかな、本当だったのかな。


だけど、胸の中はふわふわとあたたかくて、まるで小さな星がひとつだけ、ずっと光っているみたいだった。

「また会えるかな…」ほのかはそっとつぶやく。


すると、窓の外の風が、ふわりとほのかの髪をなでていった。さいほうやさんが「また来てもいいよ」って言ってくれているみたい。何だか、いい一日になりそう。

ほのかはゆっくり伸びをして、ドアを開けた。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

子供の特権みたいな夢もあるし、大人だからこそ見られる夢もある。

そんな不思議な経験をした際には、是非、空を見上げてみてください。

さいほうやさんが、星座を紡いでいるかもしれません。

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