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Prologue〜魔術〜

目を閉じる。


暗闇の中に、とおとおと輝く小さな光が1つある。


目を開く。


………何もない。


あぁ、そういえば。

私は何をしていたのだったか。

………あぁ、そうだそうだ。本を読んでいたのだった。

早く続きを読もう。さっさと読んでしまおう。

こんなにものんびりできる日はとても珍しいのだから、ゆたりゆたりと本を読んでしまおう。


椅子に座った三つ編みの彼は、ページを捲る指をのんびりと動かして本を読む。




世界から去る前に、できる事くらいはしておきたい。

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