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聖域の過ごし方  作者: トルワド
聖域の過ごし方
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13

アルスが来て5年最初の5人が10才になるお祝いに数人ずつ街に出て買い物をするという子供達にも夢のような話で盛り上がっている時だった。


世界樹が輝いたのだ。


「生まれたか覚醒したか。相変わらずまぶしいねー」


カナメはロッカと世界樹の下で輝く木を見上げている。少し離れた広場では目をやられた子供達が騒いでてカナメはフフッと笑う。世界樹の枝にはまた茶色の実が付いていて、ミツバはそれを見つけると慌てて逃げたのだった。


アルスのお世話担当は結局シンがすることになったがあの時はシンのスキルを消さないように注意しての核の融合をしたのだった。小さな核に中級の核を融合させてスキルは元のままにするのが中々に難しいものでカナメは核収納庫で何度も練習して実践したのだ。シンはアルスのいい兄になり毎日子供達と一緒に走っている。カナメにしたら楽しそうで何よりですとそれだけだったが。


「マシロに聖者探しお願いしておこうか。そろそろ力の国沈みそうだからね。」


マシロは結局力の国でアルスがいた建物と周辺を破壊し、水の精霊に頼んだのか力の国に強制的に雨季と乾季を作り出した。光の屈折で好きなように街を歩き子供達を保護して辺境に送り込んだ。辺境の保護施設にはよく食料を持っていくので聖女様と言われているらしい。聖女を探している精霊が聖女と呼ばれているのだ。本物がそばにいたら怖くて名乗り上げれないのじゃないとミツバに言われてショックを受けているのがまたかわいくて笑ってマシロに怒られてしまったが。


「聖女様発見!!!」


マシロが嬉しそうに帰ってきたのは10才のお祝いが過ぎて半年したころだった。


「今回は覚醒だったの?」


「そう、と言っても聖女様まだ9才だからね。鍛えて祭事に出るならいい年齢だよー。」


ニコニコ笑うマシロは砂の国の南で見つけたそうだ。小さな国で貴族の娘として生まれた子だと。そして問題は光の国だ。今回は早く見つけたのでこちらから護衛に数人まわした。光の国以外で生まれた聖女に厳しいから何とか育ってここまで来てもらいたいところだとカナメは世界樹にお祈りをした。

それから数度聖女は狙われたが本人にも家族にも知られないよう処理をして見守っている。


「お母さん。」


いつものように世界樹の下でお茶を飲んでいるとアルスがひと回り小さい子の手を引きながらそばまで寄ってきた。カナメは子供達がそばに来ると必ず抱きしめてから話を聞くようにしている。小さな子はアルスの前に来た6人の子の一人で嬉しそうに手を握っていた。


「アルスは花畑に行かなくていいの?」


アルスだけは同じ年齢の子がいない。何度か試したがやはり3才で聖域に来るのは難しかったのだ。仲間意識が出来るかとマシロはまた数人子供を連れてきたが。


アルスと手を繋いでいた子はカナメに抱くつくと世話役と一緒に花畑に走って行った。



明日から1話ずつ投稿です

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