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20日ほど過ぎた頃イチカ達に使った核の半分の大きさの核をもってハルヒコは聖域にやってきた。アキラも同じような大きさの核を2つ持ってきている。
「これが俺の奥さんの妹の魔力の核ね。スキルは1つしか持ってないから家事しかつかないと思う。」
「俺のは2つだな。服飾スキル持ちと調理スキル持ちに頼んだんだけど、普通の人だとこれに魔力込めるだけでかなり辛いんだな。」
「まぁ、そうだろうね。俺達とは違ってレベルだって低いし魔力も使い慣れてない。魔力を込めるだけでもすごいことだよ。」
「カナメ、俺からはこの3つ土と水と樹木のスキル持ちのやつだが。」
カナメは最後に置かれたアキラが持ってきた核をそっと摘み上げる。
小さな2cmほどの色の付いた核だった。
「アキラさんの核小さくてかわいい。」
「それはあまり強くない個体から出てくるこの世界で一番手に入れやすい核だな。」
6個の核を並べてカナメはワクワクした。これでお友達が出来るかもという気持ちとお母さんと私に微笑む女の子どちらも捨てがたい。
「とりあえず調理のスキルの核から試そうか。」
「外行って石集めしなきゃ!」
カナメがそばにいたカズハと手を繋いで外に出るとイチカ達も寄ってくる。
「新しい仲間を作ります!3人はいい感じの石を集めてきましょう!」
カナメが言うと3人は嬉しそうに走っていった。ハルヒコも慌ててミツバを追いかけている。
「ハルは大変だな。」
「ミツバは最初からやんちゃだったけど言葉しゃべりだしたらもっとやんちゃになったね。」
イチカ達と同じ量の石と土を集めてカナメは少し赤味を帯びている核を中心に置く。
「行くよ。ゴーレム形成。」
光りながら形を変えたそこにはイチカ達と同じ大きさの女の子が出来ていた。
「えっと、こんにちは。私が分かるかな?」
「初めまして、主様。ご命令をお願いします。」
女の子はスッと立ち上がるとぺこりとお辞儀をした。
「おっと、これは予想外。ゴーレムらしい子が出来たね。」
カナメは呆然とその子を見つめている。ハルヒコがサッと上着を掛けるとイチカが服を着せてくると家の中に連れて行った。
「カナメ大丈夫か?」
「主様って言われた。」
「普通のゴーレムに考えは似てたな。人型であることがカナメの特徴か?」
「カナメこの核も形成してみてくれないか?」
アキラが見せてきたのは一番小さな核。カナメは嫌そうにしながらもまた石を集めて小さな核を入れて形成する。
小さく輝いて出来たのは人型になる前の石のゴーレムだった。




