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「こっち来てステータス確認した時女神の加護発動してたな。あれ発動してると思考停止するんだよな。ま、そのおかげでこの世界生きていけるって考えれば悪くはないんだが。」
トウヤはそういいながらカナメを横目で見る。カナメはずっと加護が発動している状態だ。聖域から出ると発動条件も減ると思うのだがその第一歩が出来ないのだ。
カナメもヘラリと笑い返すとこの18年を考えていた。元の世界での記憶も食う寝るだったからかここでの生活が苦しいとか思ったことがあまりない。それも加護のおかげだったのだろう。
ゴーレム達がそばにいることも大きな安心に繋がったのだろうが確かに何度かは驚いたり怖くなったりしたことがある。
「加護の発動条件てなんです?」
「向こうの世界でいう喜怒哀楽かな?振れ幅が大きいと修正するんだよ。そうだね、いきなり魔物に襲われそうになったとか向こうじゃ考えられないことが起きると必ず修正が入るよ。それに普通の感情にも反応するんだけどね。問題は喜びとかにも反応することかな?」
「食事のマナーの違いとか、服装の違いとか、偉い人ににあうとかそんなことでも反応するんだよ。だから俺らは最初無表情とか冷血とか言われたぞ。」
加護が発動して同じことが繰り返されるようになると慣れてくる。そうして慣れるといつの間にか加護は減っているのだとか。
「俺加護今15だったよね?ここ来る前は8だったんだよね。多分カナメちゃんの状況見てショック受けて増えてる。発動してないから増えてるだけだけど。」
ハルヒコはアハハと乾いた笑い方をしながらまたステータス画面を開いてみていた。
「だからさ、カナメちゃんも俺らが生活の中に入ってくると少しずつだろうけど減ると思う。普通の人間としてこれから生きていけるようにするから。」
トウヤの言葉に頷くと3人は荷物をもって移動しているゴーレム達に目をやる。
「あの3体はずっと一緒にいるのか?」
「最初からいますね。3ヶ月に1回ほど元の石に戻っちゃうから形成してあげないといけないけど同じ材料使うからか同じ子がまた出来るので。」
「ゴーレムスキル持ってる人直接会ったことないけど資料では魔力の量で大きさと持続が決まるってあったよ。例えば魔力値が低いともって1日だったり小さなゴーレムしか作れなかったり、大きい人型になるとその人と共に最後まで生きたって資料もあるよ。結構レアスキルだから資料も少なかったな。」
「私の子たちは100日くらいで形成するんだけど、魔力が増えるとずっと一緒にいられるってことですか?」
「そうだね、レベルが上がれば魔力も上がるから何とかしてあげたいところだねぇ。」




