15
トウヤ達は学校帰り歩いてると穴に吸い込まれるよう女神の空間にいた。そして女神からいきなり話を聞かされた。
「3人には救世主としてこの世界を助けて欲しい。この空間から元の世界には戻れませんが使命を果たせば自由に私の世界で生きていくことが出来るのです。使命とは闇落ちしたドラゴンの保護です。」
トウヤが見回して立ち上がると座り込んでいるアキラを引っ張り起こし転がってるハルヒコを覗き込んだ。
「わぁ!」
跳ねるように飛び上がったハルヒコに驚きながら手を振る。
「大丈夫か?」
「あれ、俺生きてる?」
「この中からお好きなスキルを2つお選びください。そして1つの国に1人。全員同じ国に移動は出来ません。この世界で生きやすくするため私の加護が付きましたので同じ国では影響が出てしまうのです。」
アキラは貰った紙を2枚見比べる
「読めん。」
「翻訳をつけましょう。これはスキルではないので2つお選びいただけます。そしてあまり時間はありません。この空間は簡易で作られただけの場所。残り時間はあなたたちの世界で30分といったところでしょうか。」
何もない空間からコトリと砂時計がおかれた。落ち切れば時間切れということだろう。
「えっと、意味を一つずつ聞きながらとかで出来ますか?」
「では、スキルを選ぶまで鑑定のスキルを仮でお付けします。」
なぜかトウヤ達に拒否するという選択はなかった。今思うとこの時すでに加護が力を発揮していたのだろう。慌てて3人で頭を寄せ合って話し合いをする。
そしてなんとかまとめて確認をしているところでカナメが現れたのだ。
「砂時計本当に終わりそうだったんだ。」
「カナメちゃんはなぜ時間ずれてあの場所に来たかわかる?」
「あの時は…」
カナメも学校からの帰り道を歩いていた。その時前方に大きな穴が突如あいたのだ。中心から幅10メートルは広がっただろう穴の中心は深さ5メートル以上深かった。
そしてカナメは端から2メートルほどの場所に引っかかった。穴にまきこまれた隣接した倉庫が飲み込まれるように中央に倒れこんで轟音を響かせた。
そしてカナメは穴から出ようと上がれそうな場所を探して移動していた。登れそうな場所を見つけて何度か挑戦していた時道路横の家のブロックがカナメの上に降ってきた。
「ブロックが真上に降ってきて痛みを感じた瞬間あの場所に移動してて。」
「え、じゃあ俺ら召喚されたんじゃなくて死んでこっちに来たってことか?」
「だからかー、家族も何も覚えてないのか。記憶と精神に関わるから加護のおかげかと思ってた。死んだから消えた説の方が有力だね。」




