五話 アドベンス
「やっと着きました」
ここはアドベンス国最大の領地 クラウド公爵領の領都ティファエリア。
ここを起こしたクラウド様の最愛の娘さんの名前からこうなったらと言い伝えられている。
母国の書物には、この名前をつけた後娘さんが激怒して山を一つ吹き飛ばしたとも書かれていた。
これは嘘でしょうけど。
しかし長い道のりでした。野宿は慣れていましたが、変態さんの監視で疲れました。
ゆっくり休みたいです。
「ラティ、先に冒険者登録してしまうぞ」
鬼です。明日でもいいと思います。寝かせて欲しいです。
「そんな目で見るな。先に終わらせておかないと色々面倒なんだよ、それと一応妹扱いだからな」
悔しいです。何故こんな変態さんが兄替わりなんでしょうか!私のお兄様はもっと素敵です。
しかし、今は我慢です。いずれこの変態さんも抹消して見せます。
「だからその目はやめて、SAN値無くなる」
サンチ?よくわかりませんが、いい気味です!
人混みを避けて避けて、やっと冒険者ギルドです。ここのギルドは有名です。昔から紳士淑女でないと登録出来ないと言われている名門ギルドです。正直言って荒くれ者が冒険者みたいなのに矛盾したギルドです。
「いらっしゃいませ」
執事はいます。完璧な執事です。
「お嬢様こちらへどうぞ」
エスコートも完璧です。うちの城に持ち帰りたいです。
ギルド内も噂に聞いていたのと全く違います。
まるで貴族のサロンです。本当に冒険者なのでしょうか?よくわからなくなりました。
「お嬢様、本日はどのようなご用件で」
「あー、冒険者登録だ」
「黙れ!大道芸人が!鼻からパスタでも食べていろ」
やっぱりそう思いますよね。納得です。
「すいません、お兄ちゃんの言う通りなんです」
お兄ちゃんなんて言いたくないけど、ここは我慢です。あとそこの変態さん、お兄ちゃんで悶えないでください。
「それは失礼しました、どうぞこちらに」
執事さん?がカウンター?に案内してくれます。
小さな声で『私もお兄ちゃんって呼ばれたい』と言ってましたが多分気のせいです。
「冒険者ギルドにようこそ、では冒険者登録を始めますね」
カウンターのお姉さんはフランクです。紙とペンそれに水晶を取り出しました。
神には名前や住所、得意武器など書くようになってます。わかり範囲と重要な事は誤魔化して埋めていきます。
「書き終わったら、これに手を乗せて」
記載し終わるとお姉さんが水晶に手を乗せて欲しいと言います。
「うーん、なかなかね。Eランクスタートね」
「え、Fからじゃ無いんですか」
年齢や見た目では、冒険者になれるか不安だったのに、まさかの飛び級です。
「この水晶は、能力を映し出してくれるの。だから、Fでは勿体なの」
そう言う事でしたか、納得です。
「えーとそっちの変態さんはどうしますか?」
バレてます。変態さんだとバレてます。
まあ、“お兄ちゃん”って呼ばれたなんて言いながら身をよじっていたら変態さんです。誰でもわかります。
私はヘルさんのそばに行き、手袋三重にして上兄様を実験にした浮気撲滅拳を実戦します。
実験中に上兄様は、時々お姉様になりましたが、尊い犠牲です。
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