四十話 カレー
「ヘルさーん、お腹痛い」
「食べ過ぎだ。馬鹿」
だって美味しかったです。母国も大陸の中心で色々な食材や調味料が有りますが、食べたことの無い味でした。
「まあ、多分ここでしか食えないからな、カリーライスは」
本当です。高級のお米と相性は最高でした。薄いパンも美味しかったです。
「ヘルさんは食べたことあるの?」
「ああ、ここ以外だけどな、師匠がな作ってくれた」
本当にすごい師匠さんです。尊敬通り越して神です。先ほどヘルさんがつい声を出してしまうのもわかる気がします。
「作り方も教えてもらったの?」
「無理だった。何十種類のスパイスを組み合わせるんだぞ、頭がパンクした」
「師匠さんに謝った方がいいですよ」
「そうだな、こんなになるんだったら、しっかり教えて貰えば良かったよ」
「ヘルさん」
「そんな顔するな、いつか自分で作って見せるさ」
その時は私も食べたいです。
そんな約束はしてもいいですか?
「あとここでなら、ラーメンチャーハンだな」
あ、言葉に出てなかったみたいです。
でもヘルさん、お腹痛いのにご飯の話は禁止です
奥さん「食べました」
灰子猫「鍋3つってどこに入るんじゃ?」
師匠 「クソ!ヘルのツケにしようとしたのに」
奥さん「ラティちゃんもいい感じでした」
師匠 「ああ、鍋2つだからな、寸胴鍋」
灰子猫「何かおかしく無いか?」
師匠 「気にするな」
奥さん「美味しいものは別腹です!」
灰子猫「腹というより別次元じゃ」
師匠 「まあ、変装して金稼がないと」
奥さん「運動しましょう!ここままでは太ります」
師匠 「魔物退治でも行くか?」
奥さん「運動になりませんよ、いつものです」
師匠 「あー、夜になってからな」
灰子猫「ワシは今日は外で寝るのじゃ」
師匠 「まあ、次回予告してくれ」
奥さん「次回予告!次回『上兄様の行方』です」
師匠 「回復薬の素材取ってくる」
灰子猫「まあ頑張るのじゃ」