三十九話 ディアブロウ
「綺麗な街並みです」
白を基調した建物に、鮮やかな布が風にまってます。石畳も整備されて歩きやすいです。
「昔は、ひどい国があったそうだ。生まれたすぐの子を殺すような」
ひどい!同じ人とは思えません。
「そんな国だ、呪いのように次々王族が死んでいったそうだぞ、そこに人神様が降り立って民を救ったのが、この国に伝わる伝承だな」
「知ってますよ、赤ちゃんを殺した事は知りませんでいたが」
ここにあった国が愚王の為滅んだと教えられました。人神様が生まれた地として聖地になり、神殿を作って祀って、今の生活に感謝する場所になりました。
国にはなってますが、王は存在せず、事実上教皇様が治めているはずです。教皇様は、知ってる限り100年は代替わりしていません。勿論教皇様の顔を知りません。もし知っていれば、側近の司教様だけです。
謎に包まれた教皇様です。でもこの国は争いが起きません。汚職や賄賂などもあるそうですが、大きくなる前に当事者が、死んでしまうそうです。
故に神様は常に見ているという教えに繋がります。
「ラティ、折角だから祈っておくか?」
「はい!家族が無事な事、会える事を祈りたいです」
嘘です。本当はヘルさんとの事です。
祈りの間で膝をついて祈りを捧げます。ヘルさんが幸せになりますように。
「師匠?」
「え、ヘルさん?」
「すまん、邪魔した。師匠にみてる人がいてビックリしたんだ」
世には三人似た人がいると言いますし、あり得ますね。私に似た人も居るのでしょうか?会ってみたいような空いたくないような。
「今日は宿で休んで、明日は冒険者ギルドに行こうか」
「美味しい物食べたいです」
もう焼いただけのご飯は飽きました。行きましょう、ご飯が私を待ってます。
師匠 「見つかってたみたいだな」
奥さん「狡いです!私も出たいです!」
灰子猫「白く戻してくれんか?」
奥さん「教皇様って長生きなの?百年って」
師匠 「ああ、長生きだな、死なないし」
奥さん「?」
師匠 「カレーでも食べに行くか」
奥さん「行きたいです!鍋盛りです」
灰子猫「カレーよりワシを・・」
奥さん「カレー鍋に入れてあげます」
師匠 「流石にカレーの具のはならんだろ」
灰子猫「具にしないでくれ!」
師匠 「だからカレーが勿体無い」
灰子猫「具にもならんのか?」
師匠 「カレー食いたいから次回予告だ」
奥さん「次回予告です。次回『カレー』です」
師匠 「なんだこのタイトルは!」