三十七話 旅立ち
無事?退院をして、宿ではリハビリです。トイレは頑張りました。なんとなく上半身と下半身に違和感が有りますが頑張りました。
「ラティ、無理するなよ」
ヘリさんは心配性です。動くたびに言われます。
でもじっとしてられないのです。Aランクになり、他国に家族の情報を照らし合わせて貰ったら、一件だけの情報。国を出て一年になるのに、クエスト記録が一件なのはおかしいです。
該当者は、上兄様のセンターポート第一王子、
自称大陸一の大剣使い。他称は“ポートの種馬”
婚約者が居るのに、見境なしで女性を口説くキャラ男です。
王女時代は、壊れない程度で浮気撲滅拳を連打しました。未来のお姉様は素晴らしい人です。
優雅でお淑やか、綺麗で優しいお姉様です。
それをあの種馬は!
思い出すたび拳に力が入ります。
唯一許せるには、婚約者の事を大事にはしています。なら浮気するなと言いたいのですが、兄の性癖は変態さんなのです。ドMと言うのか、なじられることに喜びを感じる人です。
浮気は、本気では無く婚約者のお姉様に冷たい目で見られたいとほざいてました。本当に死んだ方がいいと思います。
ちなみにお姉様はセンターポートの一族になれるほどの武勇を持っております。武器は拳です。
お兄様を殴るために磨いた技らしいです。
私の師匠でもあります。
「ラフディアは逃げないから、落ち着け」
お兄様は逃げます。間違いなく逃げます。いい機会だから絶対に種をばら撒いてます。王子の意識ありません。
お姉様の代わりに鉄拳喰らわせます。
「ダメか。ラティ馬車を用意するから準備していけ」
ヘルさん気が早いです。まあ馬車なら大丈夫かな?多分便利な魔法を使ってくれます。ヘルさんはそう言う人です。
「はぁ、隣国に行くだと!」
オッフェンさんが困ってます。一応Aランクになったので、ギルドを移動する際は報告が必要です。
多分私ではなくヘルさんですね。一応隠してはいますが、人に口には戸が立てられません。
ヘルさんとしても話が広がり前に移動するのも正解かも知れません。
「冒険者は自由だ。止められないけど、また帰って来てくれ」
渋々納得したオッフェンさんを後にして、お世話になった冒険者さんやお店の人にご挨拶です。
ここはいい街でした。また訪れたいです。
師匠 「リハビリは辛いな」
奥さん「辛いのです」
師匠 「まあ、色々ありがとな、あの時は」
奥さん「愛する人のお世話は問題ないです」
師匠 「白子猫のか?」
奥さん「ペットのお世話は違いますよ」
師匠 「白子猫って白子、猫に見えないか?」
奥さん「お魚さんの卵の猫?」
師匠 「キモいな」
奥さん「お魚さんでしょうか?猫さんに失礼です」
師匠 「今は黒子猫だけどな」
奥さん「なんかかっこいいいです」
師匠 「今はリハビリ中だから、放置しておこう」
奥さん「復活したらタコ墨かけます」
師匠 「とりあえず次回予告しておこう」
奥さん「次回は『間話 センターポートその後2』です」
師匠 「続きがあるのか」