三十六話 兄妹愛?
「ヘルさん、お肉」
私はヘルさんにドラゴン肉をオーダーします。
「お前、本当によく食うな」
瀕死にから目覚めてもう1ヶ月です。私はまだベットの上です。正直飽きましたが、流石に状況を聞いたら、起き上がるのも怖いです。
あの時私は上半身と下半身がバイバイしてたそうです。よく生きてます。ビックリです。
ヘルさんが、秘術を使っても生き返るかどうかわからなかったそうです。やっぱり死んでました。
ヘルさんは、ずーーーと回復魔法をかけてくれていたそうです。他にも色々やってくれたそうです。でも3ヶ月目を覚まさず、ヘルさんもう頬がコケてましたね。
というか死者蘇生使える方がビックリでした。
色々条件があるそうで、普通なら成功しないそうです。服を着替えに来てくれる看護師さんは「愛だね」とか言ってました。恥ずかしいです。
死者蘇生ではなく、3ヶ月もの間献身的に私の側にいた事で、何か感じたそうです。一応兄妹としてますので、兄妹愛と思って欲しいです。
「これで最後だぞ」
ヘルさんが狩って来てくれたドラゴン肉も最後だそうです。リスポーンには時間がかかるそうで、しばらくお預けです。
「あと少しで退院だけど、大丈夫か?」
リハビリも必要ですが、それは日常生活で取り戻した方が早そうです。何よりトイレです。起き上がるのは怖いと言ってもトイレは別です。車椅子でトイレに運んでもらってなんとか処理してますが、退院したらマズイです。
ヘルさんにお世話になるわけには行かないのです。そんなになったら責任とってけ・け・け結婚してもらわないといけないです。恥ずかしいです。
最近心の中は乙女で満載です。決して顔には出さないです。これでも元王女です。
「うーん、大丈夫かな?ヘルさん居るし」
まずいです、咄嗟いに声に出てました。
「全く、俺は執事じゃ無いぞ」
ヘルさんが笑ってます。ダメ。もうダメです。
好き。私ヘルさんが好き。ねえヘルさん好きだよ。
でもダメだよね。幼女だもん。それにこの姿は偽物。本来の姿はどうかな?姿が変わっても、変わらないかな?真正ロリだったらダメかな?
違う!ヘルさんは妹と思ってる。だからダメ!
このままでいい。妹でもいい。愛してくれるなら。
でも苦しいよ、ヘルさん。
師匠 「何でラティは告らない?」
奥さん「乙女心は複雑なんです」
白子猫「お前が言うのか?」
奥さん「子猫ちゃん、ちょっとお話ししようか」
師匠 「マジギレモードだ」
白子猫「じょうだギャーーーーーーーー」
奥さん「大丈夫だよ、非殺傷モードですよ」
師匠 「いかん、あれは非殺傷でも死ぬ」
奥さん「さあもう一発です」
師匠 「もうライフは0だ!」
奥さん「だからです!」
師匠 「鬼モード突入してる、アーメン」
白子猫 プスプス
師匠 「すげー生きてるよ、白い煙上げてるけど」
奥さん「非殺傷モードです」
師匠 「あー次回予告いいか?」
奥さん「そうですか?次回『旅立ち』です」
師匠 「何から旅立つんだ?」