三十四話 走馬灯
「伝承は本当なのか」
「いいかみんなこの事は他言無用だ!決して他のものに知られないようしろ」
お父様、お母様、小さいですが、お兄様達です。
ベットに寝てるのは多分私ですね。最近元の顔を忘れてしましました。そしてこの事も忘れていました。
確か2歳位でしたか、死にかけましたね。原因は不明と言われた覚えがありますが、その日以降お母様とお風呂に入るのが当たり前になりました。
それまでは乳母のニューギューさんがお世話してくれていました。懐かしいですね。
私もお転婆でしたが、決して服は人前で脱ぐこと禁止されてました。王女ですからその言葉に不思議に思わなかったですが、何処に行っても侍女がつく事もなく、着替えやお風呂は一人でした。
『伝承』すっかり忘れてましたね。詳しい話はまだと事で聞いてませんが、遠い昔母国が危機に瀕した時に助けてくれた伝説の魔導士様がいた事。
そして魔導士様と愛し合った私の祖先が、病に倒れ、再び出会える事を願い姿を消したという事です。
いつかまた出会えると死を選び、天で結婚するというのが、伝承であり物語です。
伝説の魔導士様、母国の救済の神とまで言われるお方で古いお話しなのに、いまだに人気があるお人です。
昔会ってみたいとも思いましたが、500年も前のお方です。天にもいるかわかりません。
わかってます。これが噂の走馬灯だと。
死ぬ瞬間見えました。ドラゴンさんでした。真っ黒な鱗のブラックドラゴンさんです。
バチが当たりましたね。弱肉強食です。強はドラゴンさんであり、ヘルさんです。私は弱。今度は私がお肉になる番です。美味しいのでしょうか?
出来れば美味しく頂いて欲しいです。“まずいもう一体”なんて言われたく無いですね。
だんだん消えていきます。腕でももがれたのでしょうか?お父様、お母様、上兄様、下兄様。ごめんなさい。ごめんなさい。こんな私を愛してくれて、もう会えなくなる事、話せなくなる事。
本当にごめんなさい。
あ、ヘルさん。最後にヘルさんありがとう。こんなわがまま幼女に付き合ってくれて、助けてくれて、本当にありがとうございました。
「ラティ!!!」
ヘルさん、バイバイ。
師匠 「おい、どうにかしてこい!」
奥さん「そうです!どうにかしてください」
?? 「それは作者にか?ワシにか?」
師匠・奥さん「作者だよ!」
?? 「暴言じゃ」
師匠 「ならお前がどうにかしろ」
奥さん「言った責任取ってください」
?? 「待て!なんじゃその魔法陣は?」
師匠 「お前を冥府に送ってくれるわ」
奥さん「改良した魔法陣です」
?? 「待つのじゃ!」
師匠 「待たん」
奥さん「いってらしゃい、お土産忘れないでね」
師匠 「着いたら送ってやる、待ってろ」
?? 「ワシが待つの?」
師匠 「行ってこい!」
?? 「にゃーーーーーー」
奥さん「行ったのです」
師匠 「次回予告して待ってるか」
奥さん「はーい。次回『白い子猫』です」
師匠 「モロネタバレじゃねーかよ」