33話 赤い液体
「ここの壁の裏側にいる」
これで最後の人です。すでに試験開始から20日が過ぎてます。大丈夫でしょうか?
「この裏に行くには、多分左から大きく回ってく必要がありそうです」
私はマッピングした地図を見ながら、ルートを模索します。
「ラティ、頼みがある、壊してくれ」
「危険ですよ、反対側の人が生き埋めになります」
レンガならともかく、ダンジョン壁です。以前壊したことがありますが、力加減なんか出来ません
「それは俺がなんとかする、信じてくれ」
「では信じます。恨むならヘルさんですよ!パンチ」
壊れないと言ってますが壊せますよね。不思議です。
壁が崩れる瞬間、動きが止まりました。
「ラティ、隙間から確認してくれ」
私は隙間から反対側を覗きます。いました。でもダメです。横になって動きがありません。
「ヘルさん!遭難者いましたが、動きはなく横になってます」
「ラティ、離れて壁はこっち側に崩す」
そういうと、壁がこちら側に大きな音をたてて崩れてきます。
「ラティ確認!」
崩れた壁を超えて遭難者である冒険者の脈を確認します。あります。一安心です。あとはヘルさんがいれば大丈夫です。
「ラファ!!!!避けろ!」
一瞬です。私は宙を舞ってました。何か赤い液体が綺麗に見えました。
師匠 「やっちまったな」
奥さん「後でお仕置きです!」
?? 「ヘルがついていながら」
師匠 「実はヘルだったなんてオチだろ」
?? 「ネタバレ?なのか?」
奥さん「実は冒険者さんだよ」
師匠 「そう見せかけて、ロリマスだな」
奥さん「あり得そうです」
?? 「無いじゃろ」
師匠 「夢がないぞ」
?? 「そんな夢見たくないわ!」
師匠 「全く次回予告しておくか」
奥さん「次回予告です。次回『走馬灯』です」
?? 「明らかになったのじゃ」