二十九話 昇格?
「ラティ、合格だ」
あれから試験最終日に合わせて外に出ました。
新鮮な空気は美味しいです。夢のカケラが偽物でなくてよかったです。
さて、ヘルさんは居るのでしょうか?忠犬のようにお出迎えする筈です。
居ないですね。主人が死んでも待つのがヘルさんです。忠犬では無いですね変態紳士でした。
初日に終わらせて宿で寝てるにでしょうか?いいやヘルさんの事です、幼女観察ですね。私の代わりで悦に入ってるはずです。
「ラティちょっといいか?」
オッフェンさんが呼んでます。ちょうど良いです。ヘルさんの事聞いてみましょう。
「ラティ、今回は合格だが、かなりグレーでの合格だ」
ほへ?グレー?でも合格?
「今回は個人の試験だ。共闘はしないのが原則だが、中には共闘をする奴が居る、こちらとしては、秘密裏に監査人を入れている」
あ、もしかしてバレてますね、殺人に、不正の目的物、従属の腕輪。側から見たら極悪人ですね。
でも私は被害者です。堂々といきますよ。
「まあわかってると思うが、ラティの行動も監査している。決してロリでは無いぞ」
「ロリでも良いですよ、今更気にしませんよ」
「ロリでは無い、私は胸が大きいのが良い」
暗に胸ねえなと思われてますね、幼女に胸を求めるな!
「ロリは置いておいてだ。まず、殺人の罪は問わない、従属の首輪なんて持ってる奴らだったからな、どうせ死刑だ。ちなみに首輪はこちらで回収済みだ」
そう言えば、首輪放置してましたね、失敗です。
「あとの一人も問題無い。自爆だからな、助けなかった点が少しマイナスだが、わざわざ罠だらけの場所に行けとは言いずらいからな」
鬼ですね、あの罠の中助けに行けと、それにど変態さんですよ。ゴミですよ。
「最後の夢のカケラだ。これがグレーの点だ、試験中に採取ならまだ分かるが、試験前のものだ。実力を測る点で不十分なのだよ」
「つまり、50層まで行った冒険者を倒すほどで有れば良かったと事ですか?」
「酷い話ならな。実際上位の冒険者であれば、対人戦は更に多くなる。隙を見せないのも必須だ」
要は、カス冒険者の落とし物で合格しましたでは、危険だと言う事ですかね?
「オッフェンさんの言いたい事はわかりました。後日ヘルさんと50層より下に挑戦してきます」
「そうだな、過信せず自己能力を再度確認してくれれば良い」
そんなに過信してるつもりは無いですけど、今一度実力を測るのもいいですね。
「ラティ、前から思ってるのだが?エルフの血を引いてるのか?あまりに体と言葉遣いとか実力とかがかけ離れててな、違和感すごいんだ、別に答えて欲しい訳では無い。好奇心だ」
失礼ですね。またロリマスと呼びますよ。今の会話で十分です。
「あーすまん、聞かなかった事にしてくれ、そして忘れてくれ」
聞かなかったことを忘れるとは人の言葉でしょうか?でも次回は無い。
気持ちを切り替えて、ヘルさんの事を聞きましょう。
「ヘルか?そういえばまだ帰ってきてないぞ」
「それはダンジョンから?」
「ダンジョン以外どこからだよ」
てっきり宿に戻って、ここに帰ってきてないかと思いました。何してるのでしょうか?ヘルさんが遅れを取るとは思いません、今回女性は私だけです。もしかして男にも興味を持ったのですか!魔法も性も守備範囲広いです。そのうち魔物にも手を出しそうです。その時はバイバイしたいです。
「ヘルなら大丈夫だろ。心配するな」
そう言ってオッフェンさんはテントに戻っていきます。心配してるのはお相手さんです。変態さん同士ならいいのですが、ノーマルの人ではかわいそうです。
想像したら気持ち悪くなりました。私は腐って無いです。
「ヘルさんが戻ってきて無いならどうしましょう?」
食料はヘルさんの収納ですし、近くの森にオークさんでも居ればいいのですが、流石に疲れがありますので自重しましょう。
師匠 「少しは気になったんだがいいか?」
?? 「なんじゃ?みての通り毛は生えておらんぞ」
奥さん「どうしたの?」
師匠 「今まで解説とかしたか?」
奥さん「してないね」
?? 「しとらんな」
師匠 「いいのか?これで?」
奥さん「いいんじゃないでしょうか」
?? 「今更じゃろ」
奥さん「いきなりどうしたんですか?」
師匠 「いや急に気になってな」
?? 「今更じゃ」
師匠 「そうか、気にしすぎだな」
奥さん「一層次回予告もやめましょう」
?? 「ダメじゃ!終わるのじゃ、コーナーが」
師匠 「まあ、みてくれてくれる人がいるうちはな」
奥さん「そうか、次回予告します『ドラゴン肉』」
?? 「突然じゃな、やる気の無さが見えるのじゃ」