二十話 手の間
「ラティ、良いのか?勝手に決めたけど、俺だけで十分だぞ」
だから早く言って!もう5層目だよ、次が目的の階層だよ。着たくなかったんだよ!
乙女には厳しいダンジョンなんだよ。
「もう良いよ、人助けだしね」
鬱憤が溜まりますが、壁でも殴りましょう。壊れても元に戻りますし。
「ラティ、何で壁壊せるんだ?壊れないはずなのに」
「知らないんだよ!壊れるから壊れるの、あ、宝箱発見」
ラッキーですね、まさかの宝箱。壁壊しまて行きましょう。
「ラティ待て。罠かもしれないぞ」
そうですね、確かに。
「えーと鑑定結果は、大丈夫だな」
一家に一台のヘルさんです。偶にしか役に立たないのが欠点です。
「お宝お宝、ジャン!」
ブレスレットです。お願いヘルさん。
「お、凄いぞ、呪われた腕輪だ、つけるとオナラが止まらなくなる」
嫌な腕輪だな。嫌がらせレベルだ。
「三日つけると身が出る」
最悪の腕輪だ。捨ててしまえ!
「待て!これは売れる。便秘の女性なら欲しがるはずだ」
だからデリカシー!オナラ出し続けるんだよ、臭いよ。わかってる?
「それでも女性は求めるのだ」
格好よく言ってもアホ発言だから。試しに売ってみる?責任はヘルさんね!
さてアホな事してないで、先に進みましょう。
「ここか。確かにヤバそうだ」
目的の階層は危険な香りで一杯です。
何で進むかな?退却一択でしょう。
壁や床から人に手が出てます。さながら地獄に引き摺り込む死人の手です。
「グレードアップしてますね」
「うん?ラティ来た事有るのか?」
おっと思わず声が漏れました。失敗です。
「本で読んだ事があるんだよ、それには手では無くて、舌と書いてあったから」
「それでも気持ち悪いな」
キモかったです。下兄様が最上級火炎魔法で一瞬で燃やしましたけど。
「さあヘルさん、出番です。消し飛ばして下さい」
「はあー、調子いいな、んじゃ、ほい」
何ですかその掛け声は!ほいって何ですか!
しかも上級聖魔法です。誰か、神殿に連れて行って下さい。
「これでいいか?」
良いのですが、よくも無いです。まだまだ驚いてばかりです。一回キッチリ話した方が良さそうです。と言っても自分の事も話せないので聞きづらいですね。
「ご苦労です、さあ救援に行きましょう」
まあゆっくり行きましょう。いつか話せる日が来るでしょう。
師匠 「悪辣なダンジョンになったな」
奥さん「気持ち悪いです」
師匠 「仕方ないけどな、あいつのダンジョンだし」
?? 「何故入ろうとするのじゃ?」
師匠 「事実を知らなければ、冒険者だからな」
奥さん「入り口封鎖した方がいいと思います」
師匠 「したらしたらで、面倒なんだよな」
?? 「あやつを閉じ込めたら確かに面倒じゃな」
奥さん「プー」
師匠 「まあ、それほど人気のあるところじゃないし」
?? 「やはり放置か?」
師匠 「あと数百年だしいいかな?」
奥さん「そっか後数百年か、頑張らないとね」
?? 「頑張りついでに次回予告じゃな」
奥さん「じゃ次回予告!次回『迷探偵』です」
師匠 「迷なのか?」




