一話 幼女になってる
今先も宜しくお願い致します。
各話で文字数がかなり変わります。先に謝罪致します。
今度もよろしくお願いします。
「お兄ちゃま!」
私は、自分の声でビックリして目覚めました。
光のなかに消えていく最愛のお兄様。私も気づけば知らない森の中で一人だったのです。そうです。お父様から渡された魔道具を使って倒れてしまったのです。
でも、
「ここは何処?」
薄暗くて周りがよく見えません。多分私は今は横になっていると思います。匂いと手の平に感じる感覚から藁の上だと感じます。
「体は動くかな?」
少し違和感のある動きではあるが、腕、足は動く。首も回るし、5感も大丈夫そうです。
「お父様も説明不足です!気絶するなんて聞いてません」
一歩間違えれば、危険な状況です。周りに人がいない事を条件だと言っても、あまりに危険すぎます。
「でも、今の私って危険な状況ではないの?」
そうです。気を失っていたのにも関わらず藁の上で寝ています。私が、気絶しても歩ける超人で無ければ、誰かがここに運んでます。
「どうしよう、逃げる?逃げられる?それとも隠れる?」
安全な人かわかりません。盗賊や違法奴隷商だったら最悪です。これでも王族の一人。それなりに容姿は良いはず。弄ばれる位なら王族の権威の為にも私は死を選びます。初めてはお兄様と決めてます、絶対に!
自害するにも刃物は無い。首を吊るにも時間が足りない。
「舌を噛み切るしか無いか」
ここに連れてきた人は今は居ないですが、戻ってくるはずです。容姿や話し方、態度など総合的に見て判断しましょう。なら一層寝たふりをして居ましょうか
流石に寝ているところを襲うならもう襲われてるはずですから。
あれ、今の私って無事だよね?何かされてないよね?不安になって体を触りまくります。
「おかしいです、絶対におかしいです」
まず胸が無い。スットンだ。頑張って育ててきた、お兄様好みの胸が無い。小さい手、短い手足、今更気づいた幼い声。
「幼女になってるーーー!」
お父様!何こんな魔道具を渡してくれたのですか!逃げるのには良いですよ、絶対に王女だとわからないでしょうから、でもどうやったら元に戻れるのですか!説明してください!
これじゃ、お兄様と結婚出来ません。
お父様、絶対に見つけ出します。絶対にだ!
「おう、起きたのか?」
私が悶絶、激怒してる間にここに連れてきたと思われる人が入ってきました。
月の明かりが逆光で顔は見えませんが、大人の男の人のようです。それにここはどうも農機具小屋みたいですね。壊れた鍬や、桶が見えます。
「話す前に、これでも食え」
扉が閉まりまた薄暗くてなってしまい、少し恐怖を覚えます。でも多分悪人では無さそうです。
私は、差し出しているであろう、何かに手を伸ばします。
見えません。取れません。手が短くて届きません。
「あー悪い、見えないよな、ちょっと待ってな」
男の人がそういうと、部屋が明るくなりました。
魔法です。ビックリです。魔法を使える人はいますが、少ないです。しかも無詠唱で発動してます。
「これで大丈夫か?お嬢さん」
男の人が皿を出してました。見た目グロいです。
食べ物でしょうか?毒殺されそうで怖いです。
「やっぱりダメか。師匠ほど料理の腕無いし、これでも美味いとは思うんだが」
その師匠に謝ってください。報われないです。
男の人はグロい何かを食べてます。
それってカエルの足ですか?無理です。
「仕方ない。これは食えるか?」
男の人は懐からパンを出しました。
えーー、人肌に触れたパンを食べろと。お腹壊しそうです。
「安心しろ、収納に入れておいたやつだ、出来立てそのままだ」
「は?」
収納魔法。使い手はこの大陸で10人も居ないはずです。しかも皆高明な魔導士です。しかも高齢。
こんな若い魔導士が使えるわけありません。
「パン嫌い?米なんか無いぞ」
いやいや、そうじゃ無いです。パンは好きです。
米なんか高級食材では無いですか!
「何で収納魔法が使えるのですか!」
「え、使えるから?」
おかしいです。頭のネジを何処かに投げ捨ててます。
「まあ、今はゆっくり休んで後で話をしよう」
休めますか!どこにわけもわからない男の人の前で寝れますか!常識を教えてあげたいです。
疲れました。寝たくは無いですが、何となく、この人は危害を加えないと思います。
今は何も考えず寝ましょう。
師匠「お、名前がついた」
??「ズルいです。私もつけてください」
??「?が二つじゃぞ、何か意味あるのかの?」
師匠「意味ないだろ、多分」
??「ねー、〇〇〇蛙食べてるよ、変わらないね」
師匠「魔力の為だと言ったがまさか」
??「あやつの飯は美味いぞ、カエル最高じゃ」
??「次回予告 『定食屋 食わせろ』です」
師匠「逃げたらダメだぞ、カエルは鶏肉だ」
??「嫌です!鳥さん食べたいです!」
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