十六話 緑登場
訳あり飼育員も終わりのようです。裏方の騒ぎが聞こえてきます。
「皆様、ここで一旦休憩を挟みます。暫くご歓談をお楽しみください」
多分この司会者は逃げますね、主催者はもう逃げてるはずです。まあ、冒険者さん達が捕獲してると思いまうが。
「さて、始めるか」
ヘルさんがやる気になってます。豚ども見てたらやる気が無くなってきました。汚いですから。
「ラティ、これでも着てみて」
珍しく、いや初めて先手です。ラティポイント1をあげましょう。
「着ぐるみですか?」
油断なりません、この変態さんは!緑色の怪物?です。何だかガチャガチャビンビンって感じです。
「おお似合うな」
似合うも何も顔すら出てません。ただの緑色です。まあ汚れ無くていいですが。しかも動きやすさが許せません。全宙、バク転も出来そうです。
「行くぞ!」
やる気無くなりました。適当に潰しましょうか。
会場に広がる悲鳴の嵐、あちらこちらに転がる豚、汚物が臭いです。
悲鳴を聞いたのか、沢山の冒険者さんが参入してきましたが、皆口から虹を作ってます。そうなりますよね、私もそろそろ限界です。
のちに“緑色の悪魔”と言われる怪物が物語で登場する事はこの時私は知りませんでした。
全玉を潰したので私は一足早く外に脱出です。
捕縛は任せました。着ぐるみ脱ぎたいです。
「お疲れ、全玉目標達成だな」
ヘルさんがにこやかに登場しました。ここに忘れ物がありました。
「ラティ、その目はやめて、見えないけど見えるから」
やっぱりよくわからない人です。疲れたからやりませんけどね。
「さて、宿に帰って一眠りだな、抱っこしてやろうか?」
やっぱり潰しましょうか?でも眠いです。良い子は眠る時間です。仕方ないのでおんぶで我慢します。着ぐるみ着てるので問題ないでしょう。
師匠 「懐かしいのが出てるぞ」
?? 「見た事ない緑じゃの」
師匠 「知らないのか!有名だぞ」
?? 「いつも思うのじゃが、何処の話じゃ?」
師匠 「俺の頭の中の世界だ」
?? 「知るか!アホじゃろ」
師匠 「俺の妻はわかるぞ」
?? 「お主らと一緒にするな」
師匠 「いい加減、俺の奥さん出したいのだが」
?? 「ならワシの名前も出して欲しいのじゃ」
師匠 「諦めろ」
?? 「諦めんのじゃ」
師匠 「なら次回予告でもして、媚び売っとけ」
?? 「次回予告なのじゃ『私は可愛い?』じゃ」
師匠 「妻より可愛いのは居ない」
?? 「惚気はやめて欲しいのじゃ」
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