十四話 養豚場と飼育員
私とヘルさんが先導してオークション場所まで案内します。ヘルさんは大変そうです。走りながらの魔法は疲れるそうです。
「ここです、オッフェンさんどうしますか?」
皆息が上がってます。軟弱さんです。
早く殲滅したいです。
「ちょっと待ってくれ、ラティは何故大丈夫なんだ?」
今関係ないと思いますよ。お兄様達といっぱい遊びましたから体力には自信があります。
「じゃ、私が先行して殲滅してきます、オッフェンさん達は逃げてきた人を殲滅してください」
「殲滅ではなくて捕縛でお願いしたい」
やっぱり軟弱です。食うか食われるか、やるかやられるかです。もちろん私はやるの一択です。
「誰だ。この子を連れてきたのはって俺か、えーとヘルと言ったな頼む、ラティを頼む」
「まあ機嫌が損ねない程度でしたら」
私の心配ではなくて悪人の心配ですか?プンプンです。
「大丈夫です。玉潰しぐらいで抑えますから」
あれ?みんな内股ですね。トイレですか?
早速いきましょう。
「ここからは俺が前を行くからついてきてくれ」
ヘルさんが先導してくれるそうです。偶には役に立ちそうです。
ヘルさんが扉を少し空けて中を確認していきながら進んでいきます。
「ここだな」
ヘルさんが少しドアを開けただけで声が聞こえてきます。
「ようこそ、我が動物広場へ」
何ですか?動物広場って可愛らしい名前です。
やってる事はクズ以下でしょうけど。
「ラティこっちだ」
ヘルさんが動物広場?に案内してくれます。
あー確かに動物広場でした。動物は一種類です。
豚一色です。
キモいです。これトラウマになりそうです。全裸の豚がブーブー言いながら盛り上がってます。
油ぎったテカテカな体、少しでも動けば震える贅肉。大して暑くも無いのに流す豚汁。しかも臭いです。養豚所でももう少しまともです。
「ラティ、中に入らなくても良かったぞ」
だから遅いですかね、私が入る前に説明してくれても良かったと思いますよ!全裸の豚が居ると聞けば入りませんでしたよ!もう遅いです。
「さて今日もみなさまには最高の飼育員をご紹介いたします、たぎってください」
あーやっていいですか?良いですよね?やりましょう!
「待て、まだだ。多分だが俺たちが助けた以外の人が居るみたいだ」
へ?そんなに居るの?幼女だけでも結構いました。何人攫ってるのですか!
「噂ではセンターポートからの移民が混ざってるそうですよ」
「いやいや、貴族の血を引く幼女もいるとか」
「新鮮なのが良いですよね」
「男もいるか?」
「今日は十人はいきますよ」
腐ってます。廃棄処分しないといけません。
「では、最初の飼育員です、どうぞ」
司会者に紹介されて出てきたのは、男の人です。
しかも見た事あります。よーく知ってます。
母国センターポートのクソ貴族です。口だけでのアホ貴族です。助けたく無いですね。
「ラティ、見なくて良いぞ」
だからもう遅い!しっかり見ています。汚いです。
「俺を誰だと思ってる!次期侯爵になるクチーダケイルだぞ!みんな死刑だ」
やっぱりアホでした。ここに居て時期も無いと思うのですが、領民が可哀想です。
「少し探ってくる、いいな絶対にここから動くな、そしてやらかすな」
心配性です。何か無ければ動きませんよ。それに絶対という言葉は絶対に無いんです。
いってらしゃい。
さて、あの変態さんは多分覗き見です。裸の女性を見にいったに違いありません。変態紳士の名が泣きますね。
あ、落札です。1000円です。高いですね。50円くらいだと思ったのですが。
「バカな、俺様が1000円だと、これを見ても1000円か!」
見たく無いです。そんな稚魚出しても変わりません、むしろ値引きです。
「どんどんいきましょう、お次はこれです」
暫く放置します。母国の貴族みたいですから。
ヘルさーーん、早く帰ってきて。暴れたいです。
師匠 「今回は酷いな」
?? 「酷いのじゃ」
師匠 「さっさと次回予告か?」
?? 「待て、金の単位の説明は必要じゃ」
師匠 「そうか?俺が決めた、終わり」
?? 「ワシはいいが、見てくれて人にはもう少し」
師匠 「説明と言ってもな、ピロとかテラとか面倒?」
?? 「だからお主は統一したんじゃろ!」
師匠 「じゃ、あとは任せた、妻に会いに行く」
?? 「お主待て!」
?? 「ワシだけか、仕方ないの」
?? 「次回予告じゃ『悪人飼育員』じゃ」
?? 「読んでくれると嬉しいのじゃ」