十一話 幼女服
「今私は牢屋にいます」
誰に説明してるのでしょうか?不可解な状況になると現実逃避したくなるのでしょうか?
ここには数十人の子供がいます。皆裸です。
そして皆女の子です。私だけ服を着てます。
理由は簡単です。脱がそうとした変態さんを殴り飛ばしたからです。そして変態さんは今裸の女の子にボコボコにされてます。
ダメですよ。それでは変態さんが喜びますよ。
石で潰すのが一番です。手足が汚れますからね。
ここにいた女の子達から状況を聞くと、長い子で十日前からここにいるそうで、明日はオークションが行われるそうです。
一応食事と水は一日一回ですそうですが、足りません。それに今日はもう出たそうなのでもう無いそうです。
まあ殲滅しますからどうでも良いです。
しかしどうしましょうか?私一人なら良いのですが、これだけの子供を逃すには大変です。しかも裸。
今日なら良かったのですが、今日一日どうしましょう?
「ねえ、明日と言ってももうすぐだよ」
「?」
私は首を傾げます。
「あのね、0時を回ったら開始なの、だから後数時間なの」
そういう事ですか、そうですね、こんな闇オークションなんて昼間に出来ません。なら今頃お客さんが集まってますね。しかし当日に誘拐なんて数が足りなかったのでしょうか?まあ良いです。
「ならみんな逃げようか」
みんなポカーンとしてます。そうですよね、いきなり六歳児の子が言っても説得力無いですよね。
それでも先ほど変態さんを殴った事もあり納得してくれました。
「じゃー行くよ」
私は壁を殴ります。と言っても大きな穴は開けません。みんな私くらいの子です。
閉じ込めるにしても地下が基本なのに、壁の向こうは外です。
「うん良い感じ」
合格点です。目立たないですし音もなく良い穴が空きました。私は外を確認して一旦外に出ます。
見張もズボラです。私たちにしてはラッキーです。
「お姐、大丈夫?」
何かイントネーションが違う気がしますが、今は置いてきましょう。
「大丈夫だよ。ちょっと待てね」
五感をフル活用して、外までのルートを確かめます。
「ラティ!!!」
うるさいです!静かにしてください!ヘルさん、お座り。あれ、ヘルさん?
「無事か、良かった。育毛剤探してたら居なくなってたから心配したぞ」
居なくなったのはヘルさんです!そんなに毛が大事ですか?毟りますよ。
でもちょうど良かったです。いやダメです。裸の女の子を見たらこの変態さんが危険です。
「ヘルさん、持ってなくて当たり前だけど、女の子の服持ってますか?」
持ってないと言って欲しいです。
「持ってるに決まってるだろ。変態紳士だぞ」
考えるのはやめます。持ってる理由も聞きません。だけどもう無理です。これが終わったらサヨナラです。
「ラティが困らないように持ってるに決まってるだろ」
え、私の為?信じられません。いや待って欲しいです。何故私の服を用意してるのですか?困る理由って何でしょうか?問い詰めたいけど今では無いです。
「ヘルさん、全部出して、ここの穴に中に入れてください、そして中を見てはいけません。見たら、ヘルさんの目をふたつ頂きます」
「目は二つしか無いよ、見ないから大丈夫」
ヘルさんはそう言って服を投げ入れます。
後ろ向きで器用です。
「みんなどれでも良いから服着て」
しかし下着まで有るにはどうかと思いますよ。
師匠 「残念だ、せっかくバリカン用意したのに」
?? 「何故ワシに向けておる!」
奥さん「せっかくだからやって貰えば?」
?? 「嫌じゃ!」
師匠 「しかし、あいつ下着までとは準備がいいな」
奥さん「旦那様の真似だね」
師匠 「そういう事は真似しなくていいのだが」
?? 「仕方あるまい、健気な奴だ」
奥さん「でも引くよね、普通」
師匠 「そうなのか?」
奥さん「旦那様は別、私以外なら・・・」
師匠 「いや、そんな事はしない」
?? 「そうかの?でもあの時」
師匠 「黙れ!毟るぞ」
奥さん「詳しく教えてね、旦那様」
?? 「すまん」
師匠 「次回予告『脱出』です、よろしく」
奥さん「逃しませんよ!」
?? 「次回の読んでくれると嬉しいの、
ワシいつまで?なんじゃろ」
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