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転生完了!

 私の目の前の光景が移り変わる。

 デカい木の麓……。精霊王様が目の前にいて、祈りを捧げていた。


「生き返った」

「エレキっ!」


 精霊王様は私に抱きついてきた。

 精霊王様は少しやつれている。私が死んじゃったから心配をかけたんだろうか。

 ははは……そこまで心配されるなんて私って幸せだな……。


「一年、ずーっと神に願ってよかった」

「……一年?」

「エレキちゃんが死んで一年経ったんだよ」

「そんなに経ってんの? 私めちゃくちゃ一瞬だったけど」

「時間経過がこちらと違うのかもしれないわね。でもよかった……。精霊として転生出来るかは賭けだったの。だからよかった……」

「やっぱ無理そうだったんですね」


 私を心配させないようにあんなこと言ってたんだな。

 とりあえず、精霊王様から私の身の回りの近況を報告してもらうことにした。

 キースさんたちとか……すごく気になるから。


 あの勇者とか。


「うん……教えてあげるから……しばらく、このままでいさせて……」

「わかりました。あ、でも精霊王様。お願いがあるんです」

「お願い?」

「私は人間だったんですよ、元々。で、流石に悠久の時を生きるというのは私としても相当メンタルにくるものでして……。もし、私が心の底から殺して欲しいと願ったら私を殺してくれますか」

「…………」

「お願いします。私は人間だったんです。厳しいことを言いますが、精霊王様と私は元々違う存在だったんです。なので……お願いします」

「……わか、った、わ」

「ありがとうございます。まぁ、私も一応は適応してみるつもりですけどね。で……キースさんたちのこと、聞いていいですか」

「あ、うん。えっとね」


 精霊王様は教えてくれる。

 勇者は魔王と精霊王の手によって殺された。元々勇者の転生体だった子の親には相当強い恨みを買ったようだった。

 色んなことがあり、キースさんたちは私を忘れて事後処理とかで手いっぱいだったようだ。


 私の死に気づいたのは3日後。私はどこかぶらついてると思われていたらしいけど帰って来ない、魔王に尋ねると私の死体があった。

 キースさんは、その場で崩れ落ちてしまったらしい。ノエルさんとミリアそんも泣き崩れ、ガントルさんは早々に部屋に引き篭もって、好きだった風俗とかにも行かなくなったみたい。


 意外と私の存在大きかったんだな……。


「キースは立ち直るに2ヶ月くらいかかってたの。バリー王子も優しくしてたわ」

「……会いに行っても?」

「いいわ。当たり前じゃない」

「よっし。でも、普通に会うのは面白くないな……。こう、キースさんと会うのはなんかサプライズが欲しいですね。今からバリー王子のとこに転移できますか?」

「任せてちょうだい!」


 精霊王様は私を抱きしめて転移。

 バリー王子の執務室についた。バリー王子は突然現れた私をみて驚きの声をあげて。


「……エレキ?」

「そーでーす。精霊となって転生してきましたぁー」

「……そうか。そうか」


 バリー王子は微笑んだ。

 バリー王子の頭には王冠が乗っかっている。


「……あれ? 王冠なんてつけてました?」

「知らない? 俺、王様だぞ」

「え? 戴冠したんですか?」

「ああ。前の王は隠居した。今は俺が王だ」


 ほえー。一年もあったら変わるもんだな。


「あ、婚約者のルビーさんは? ジュエル公爵家であの騒ぎ起きてましたし、疑われたのでは?」

「ああ、そのこと知らないのか。ルビーは俺の妻になった。ジュエル公爵家は……元嫡子が改革派で、当主の意思を無視して改革派を招き入れてしまったようだ。ジュエル公爵家は爵位を剥奪、元当主は平民にして嫡子だった長男は処刑された」

「うわぁ……」

「ルビーに関しては何も知らなかったのもあり、貴族と養子縁組を組ませてそのまま俺の伴侶となった」

「ほへー」


 幸せそうな顔をしているバリー王。


「で? 俺のところに何かようか?」

「あ、キースさんと会うためにサプライズの相談に来たんですけど」

「キースとまだ会ってないのか!?」

「さっき転生したばかりですし……」


 それに、シチュエーションも大事だと思う。ここは感動的に再会したい。


「そうか。ならば……今夜の夜会でどうだ?」

「お、なんか案があるんですか?」

「こういう話でな……」









あと1話!

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