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魔王領いったならエルフの里も行こう!

 王都に戻ってこれたのは月が登り切った時だった。

 魔王領では少し忙しくなるだろう。魔王が死んで……次代の魔王が誕生しなくてはならなくなった。その魔王の器の吟味をするのは先代魔王。


「普段おちゃらけてるからあまり実感はなかったがあいつあんなにも強いのか……。正直レベルが違うな。こんな暴走した魔族に腕を折られるようなやつとは実力が違いすぎる」


 ガントルさんは自分の折れた腕を見ながらそう嘆いていた。

 圧倒的な実力差を見せつけられて、少し暗い雰囲気が漂う。


「あ、おかえりー! どうだった? 温泉気持ちよかった?」

「いや……あまり楽しめなかったな」

「どしてー!? あ、腕ケガしてる。治してあげようね」


 腕を出してといって、ガントルさんは素直に折れた右腕を出す。

 アンズは詠唱を唱えると、ガントルさんの折れた骨がどんどん治っていった。


「すごい……。私でも切り傷とかそういうの治すのがやっとなんですが」

「精霊魔法だからねぇー。人間が使う魔法とは違うんだよね。精霊魔法、エルフに教えられてきた技なんだけど……。精霊に好かれないと使えないからなぁ」

「そ、そうですよね」

「ならそうだ! 今度はみんなでエルフの里に行こうよ! ノエルさんとミリアさんはうまくいけば精霊に力を貸してもらえるかもしれないよ!」

「ほんと!? 行きたいわ!」

「行きます!」

「まぁ、確実とは言えないけどね! 確実にしたいんなら……エレキちゃんが精霊王様に頼んでもらうことなんだけど、それはちょっとずるいからね! じゃ、思い立ったが吉日! 行きましょー!」


 アンズはちょっとうきうきしていた。


「って、エルフの里って世界樹のふもとじゃん……。こっから物理的な距離があるけど」

「フルクトゥスドラゴンに送ってもらおうぜ!」


 私の指摘にフルクを使おうぜというアンズ。

 あんなドラゴンを移動用に使うなんてお前な……。


「フルクトゥスドラゴンとエレキちゃんはトモダチ! ならちょっくら送ってもらうのもできる!」

「お前なぁ……」

「結局行くの? 私たちは行くつもりだけどあんたらは?」

「いく。さすがにエルフは気になるしな……」

「俺も」


 どうやらまた満場一致で行くことになった。

 私はまた月明かりが照らす道をみんなを乗せて走る。フルクトゥスドラゴンのところにいくと、フルクは大きな欠伸をする。

 

「ん、こんな時間になにぃ?」

「フルク、またエルフの里に送ってくれない?」

「え、こんな時間にぃ?」

「ごめんね。こんな時間で……。アンズが言うこと聞かなくて」

「うっ、アンズちゃんね」

「私からもお願い♡」

「仕方ないなぁ……。ほら、口の中入ってよ」


 口を地面におろし口を大きく開けるフルク。

 みんな中に入るのを躊躇している。


「飲み込まないから大丈夫。安全だよ」

「でも食べられるみたいでなんかすごい忌避感あるわね……」


 文句言うな。フルクのご機嫌が斜めになるぞ。











100話以内に完結すると思います。たふん

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