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ガントルさんも化け物だった

 今現在は格闘部門の決勝。

 足技を披露したり、ぶん殴ったりなどしている。戦っているのはなんとガントルさんだった。ガントルさんがボロボロになりながらも、素手で相手と戦っている。


「うえっ!? ガントルさんが何で!? 出てんの!?」

「あら、エレキかしら。出てるのよ。あれは割と強いからね」

「ミリアさんとノエルさんここにいたんだ」

「ええ。私も魔法部門に出たのよ。優勝したわ。結構威力が強すぎて相手がビビったのよ。エルフ様様だわ」


 と上機嫌だった。


「で、あんたなんで人間に戻ってるのよ」

「いやぁ、精霊王様とデートしてて。精霊王様も参加するから観戦のためにこの姿に……」

「……今なんて言いました? 精霊王様が?」

「参戦するって言いましたけど」

「……キース、優勝はまず遠のいたわね」


 どうやらキースさんは総合部門で出場するらしい。

 ほかには騎士団長様だったり、ほかのSランク冒険者だったりなどこの国の実力者、そして他国の実力者も数々参戦しているようだ。

 精霊王様ずば抜けてるからなぁ……。さすがに無理だな……。


「ま、とりあえずガントルの応援するわよ! ガントルー! 負けんなー!」

「頑張れー! ガントルさーん!」

「ガントルさんファイト!」


 私もガントルさんを応援することにした。

 ガントルさんも相手もお互い消耗している。


「ガントルー! これ勝ったらこの大会2冠よ! 頑張れ!」

「え、2冠?」

「剣士部門で優勝してるんですよ。ガントル。ぶっ続きで格闘部門にも出てるんです」

「うわぁ、よくやるなぁ……」


 よくそこまで体力があるな。連戦して優勝寸前まで持ち込んでんのさすがに化け物じゃない?

 私はあのガントルさんも意外とすごいと思いながら見ていたら、ついに決着がついた。ガントルさんが膝をつき、そのまま気絶した。

 くしくも勝つことはできなかった。準優勝でとどまってしまったようだ。周りの客も「さすがに2つ勝つのは無理があるかぁ」と少し落胆しているし、当然だともうなずいている。


 ガントルさんが倒れ、優勝者の名前が大声で叫ばれる。優勝者は右手を天高く上げていた。肩で息をしており、疲れが見えている。


「さぁ、最後の部門! 総合部門だ! 総合部門ではなんと……つい先ほど、飛び入りした輩もいるぞ! スタッフ曰く、ものすごく強そうに見えたとのことだ! では、選手に入場してもらいましょう!」


 そういって、闘技場の上にはキースさんとか、ほかの国の人であろう格好をしてる人、そして、私の精霊王様も入場してくる。

 キースさんは少し浮かない顔をしていた。精霊王様に出会ってしまって悟ってしまったらしい。騎士団長は規律を守るかのように行進してくる。


「出場者は全部で16名! 今からくじを引いてトーナメントを作るぜぇ! では、来るがよい!」


 少しエッチな格好をした女性がくじが入った箱を持ってくる。

 出場者はそれを引いて対戦相手を決めるようだ。司会の後ろの人が持っている紙には1から16までの数字が書かれており、引いた数字に割り当てられるようだった。


「まずは我らが国の騎士団長、ヴィネガー・ノートル騎士団長から!」

「これだ!」

「ヴィネガー様の番号は……11番! 11番にヴィネガー殿だ! では、続いて隣国からやってきた大賢者! アフロが特徴のアフロンス・バフロン!」


 アフロの人賢者なんだ……。アレまるっきり格闘技やる人の見た目なんだけど。


「うおー! この国のみんな―! よろしく頼むぜー! 俺の魔法で全員、ノックアウトしてみせるぜぇ~!」

「アフロー! 今年も優勝しちまえー!」

「アフロ頑張れ!」


 アフロ強いのかよ。今年持ってことは以前優勝したことあるのかよ。


「ではでは! 続いて……我が国の伯爵で、Sランク冒険者でもあるキース・モルガド様!」

「……とりあえず準優勝はしたい」

「優勝じゃなくていいのかい!?」

「優勝は無理だ……」


 まぁ、うん。そうだろうね……。


「なんとも消極的! 苦労人の血が見える見える! 何か嫌なことでもあったのかー!?」


 あるね。うん、あるね。

 司会がどんどん出場者を紹介していき、とうとう最後、精霊王様の紹介になる。


「つい先ほど飛び入り参加してきたこの女性! 見たこともない新規参加者だ! 実力は未知数であります! オベロン! オベロンさんはあまった1番に入ります!」

「あら、くじひかないのね」

「1個しかないので! ではでは、最初の試合に参りましょう! 飛び入り参加者、オベロン対海を越えた先の東の大剣豪ムサシの試合です!」


 手加減してやってくださいよオベロンさん。











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