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仕事終わりの一杯!

 魔王軍元四天王、デュラハン将軍が指揮を執り攻撃を仕掛けるが。

 魔王になすすべもなくやられていた。私も一応戦ってたとはいえど、魔王様の無双ゲーにはついつい見とれてしまう。

 いつのまにか相手の軍勢は減っており、デュラハン将軍だけが取り残されていた。ほかの軍勢は魔王に怖気づいて逃げだしていったようにも見えた。


「デュラハン将軍よ、お前ひとりだな?」

「……魔王様。考え直したほうがよろしい! 人間は強欲で、愚かで、劣悪で……誰よりも劣る種族でありますぞ!」

「我は、そうは思わんなァ。現に我も、お前も、一度人間にやられているだろう?」

「あれは……油断していただけで!」

「相手が人間だと油断してかかったのは貴様だろうが。その時点で貴様の負けだ。さて、この我を殺そうとした罪、断罪の時が来たな」


 魔王様は剣を握りしめる。

 デュラハン将軍は尻もちをついて怖がっていた。


「考え直してください! 私は魔王様の政権のもとに必要な人材になるはずです! 罰は受けます! なにとぞ……」

「安心しろ。貴様の代わりなどいくらでもいる。貴様はこの我を怒らせた。死ね」


 魔王はデュラハン将軍の頭部をまず叩き割り、そのあとに鉄の鎧ごと大剣で切り伏せた。

 えげつない。元仲間に対してでもこういう風に罰を与えるとは。非情であるところは非情なんだな。血も涙もないっていうか……。

 やっぱ魔王っていうだけあるな……。


「さて、一仕事したわ! こういう時なんていうんだ? 仕事終わりの一杯でもいこー!ということか!?」

「それどこで覚えた」

「仕事終わりの一杯は格別らしいな! 飲もう!」

「……飲むためのお金はもってるの?」

「あっ」


 そういうと、魔王様が一気にしょんぼりし始めた。


「そういや我……無一文……」

「お金がない魔王様って……」

「フルクトゥスドラゴン! 鱗を寄越せ! それを売って酒代にする!」

「嫌だよそんな目的じゃ! 僕の仕事も終わり! じゃあね!」

「あ、待て酒代!」


 酒代としてみるんじゃないよ。

 フルクはまたあの泉の近くに戻っていったみたいだ。私も魔王様と一緒に屋敷に変えることになった。

 

「仕事終わりの一杯を楽しみにしとったのに……」

「まぁ……。キースさんに頼んでみればいいんじゃないの?」

「そうだな! キース殿は金を持っているからな!」


 そういって意気揚々と帰ったのだが。


「嫌だよ。その魔物の襲撃の元凶はもとはといえば魔王様だろうが」

「……人でなし!」

「人でないお前に人でなしって言われたくねぇよ! 自分のしでかしたことは自分で始末つけるのが筋だろうが!」

「うわーーーーん! こうなったら冒険者ギルド言ってキース殿のあることないことたくさんばらまいてやる!」

「あることはいいがないことはやめろ! わかった! お前殺人ができないからってそういう厄介なことをするんじゃない!」


 キースさんの言う通り、たしかにアレを呼び寄せたのは魔王様なんだよな。

 魔王様の復活を感知したデュラハン将軍が襲いに来たってだけで、魔王様にとっては不服かもしれんがたしかに呼び寄せたのは魔王だ。

 だが、この手の戦いでも魔王様は強いらしく、立場が低いのを利用してあることないこと吹聴しようとしていて、それが困るキースさんが奢ることになった。


「では早速参ろうぞ!」

「はぁ……。先が思いやられる……」

「キースさん、ゴメンネ」

「もう気にしてない……。もう遅いんだよ……。国王様にも魔王が復活して俺の家に住み着いたこともすべて報告はしたから……。近いうちに見に来ると思う……」


 大変だ……。

 最近、心労がすごそうだな。キースさん。(元凶が言うな)









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