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なぜいる?

前半キース視点

後半主人公視点です

「ヴィネガー・ノートル騎士団長の容体が悪化した?」


 俺は当事者の一人として王城に来ていた。

 つい先日起きた魔物の大群の侵攻。それを食い止めたのがうちのエレキと騎士団たち。

 騎士団長であるヴィネガー・ノートル公爵様の容体が悪化したとのこと。


 心臓は動いており、呼吸もしているらしい。

 ただ、魔力がおかしくなっており、その魔力が身体を蝕んでいるらしいとの見解だった。


「ヴィネガーを亡くすのは国としても惜しい。あのような人材は滅多にいない」

「その解決策をこの私に探してこい、と?」

「いや、エレキの力を借りたいのだ」

「エレキの……?」

「これから私はエルフの里に向かう」


 国王はエルフの里に向かうと言い出した。


「な、なぜエルフの……あそこは歴戦の戦士でも近づくのを避ける神避の森と呼ばれてるくらい強い魔物が跋扈しているのです! エルフの里ではなくとも魔法のスペシャリストたちが……」

「無理なのだ……。エルフ以上に魔法に精通してる種族はおらん。エルフの里に今すぐ向かわねば時間が来てしまう」

「じ、時間?」

「もってあと1週間だそうだ」


 思ったより事態は深刻のようだった。

 だがエレキは……。


「エレキは昨日から姿を見せないのです。どこかほっつき歩いてると言いますか……」

「なんと……」

「今すぐ仲間に声をかけてエレキを捜索いたします! 数時間だけ猶予をくださいませ!」

「……わかった。モルガド伯爵。お前を信じる」


 俺はすぐさま家に帰ることにした。

 こんな時にエレキの力がいるのかよ……! くそ、エレキどこいるんだ。こんなだだっぴろい王都だったらすぐに目撃情報が入るかは難しい。


 エレキがいないと国王様が神避の森に行けない! この国においてエレキより強い者は限られる。


「クソ、エレキのやつ帰ってきたら説教だな……!」


 俺は家に帰る。


「旦那様。エレキ様がとんでもない客を……」

「エレキ帰ってきてるのか!? なら好都合だ! エレキはどこに!?」

「応接間に……」

「わかった!」


 俺は急いで応接間に向かう。

 扉を開けて、俺は声を上げようとした時に思い切りすっ転んだ。

 

 なぜ、エルフがここにいるんだ!












 エルフの里で一夜を明かし、流石にキースさんも泊まりだと心配してるだろうということで帰ることになった。

 長老から孫娘のアンズさんをよろしくと泣きながら頼まれ、フルクの口元に入り、王都に戻ることにする。


「たでまー」


 屋敷の扉を開けて、私は執事の人にちょっとお客さんがいるんだけどと告げる。


「どうも〜!」

「どうも」

「へ? あ、え?」


 エルフのアンズと精霊王様を案内してもらう。

 精霊王はあまり世界樹の木から離れることはできなく、3日離れると強制的に引き戻されるようだ。

 それまでしばらく私のそばにいたいということでついてきた。キースさんの心労やばそうだ。


「あ、私がお茶を淹れてみるわ。いいものがあるの」


 と、精霊王様が自ら茶を淹れる。アンズさんはすごく恐縮していた。

 私の目の前には深緑色のお茶が出される。抹茶……? 私は一口飲んでみる。


「にっが!?」

「苦い……です。精霊王様……」

「そう? 世界樹の葉っぱはやはり苦いのね……。でも健康にいいのよ?」

「この苦さは病魔逃げ出すでしょ」


 なんだろう、世界一苦いお茶であるセンブリ茶を凝縮したような苦さだ。

 私は根性で飲み切る。少し健康になった気がするが、それでも苦さの余韻がまだ口の中に残っている。


「キースさん帰ってくるのまだかな」

「どんな人なんだろー!」

「そうねぇ。なんかものすごく苦労してそうな運命が見えたわ」

「運命見ることができるんですか?」

「まぁ、それなりにはできるの。神様じゃないから未来は見通せないけど過去の記憶なら読めるの。すごいでしょ? 褒めてちょうだい……」

「すごいです。ガチで」


 過去の記憶を読み取れるってすごいと思う。

 お茶菓子を食べていると、扉が開いた音がする。キースさんが急いで帰ってきたようだ。


 そして、勢いよく扉が開かれる。


 何かを言いかけた時、アンズの方を見てすっ転んでいた。










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