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めちゃくちゃにしてやる

 オークションの日がやってきたようだ。

 舞台袖に移動させられて、私たちは今日から売られるみたい。まず最初にオークションにかけられるのはこの私らしい。

 見た目麗しき男性だってさ。照れちゃうな。


 私は舞台に登壇する。

 うわぁ、みんな仮面付けてる。マスカーレドかな?


「ではでは、お値段は1000万から!」

「奴隷にはならないよ。このオークション、ぶち壊させてもらおうか」


 私は壊した手錠を見せる。


「お、お前手錠を……」

「私にはねぇ、特別な力があるんだよねぇ」


 私は雷をその司会の足元に落とした。


「私は雷を操るんだよ。私を売ってみろ。全身丸焦げにしてやるぜ」

「だ、誰だよこんな危ないやつ攫ってきたの! とりあえず取り押さえろ! 抵抗するなら殺しても構わん!」

「わかった」


 オークションを守ろうとしている鎧を着た兵士が私を取り押さえようとしてきた。

 私は鎧に触れて、雷を流す。


「うぎゃぁあああああああああ!!!」

「殺しても構わないんだよね? 抵抗したら」

「きゃあああああ!?」


 会場は大騒ぎになっていた。

 そして、出口のほうを見ると、出口には騎士団の人たちが立っていた。どうやらこのオークションはばれていたらしい。

 騎士団の隣には仮面をつけたキースさんとバリー王子が立っていた。


「奴隷オークションに参加したものすべて捕らえよ! 貴族だとか身分は関係なく捕らえよ!」

「なな、なんでばれてんだ……。ちくしょう!」

「逃がすわけないじゃん」

 

 私は逃げようとしている司会の手をつかむ。

 

「離せ!」

「嫌だよバーカ。悪いことしたんなら捕まんないとなぁ!」


 私は気絶させるほどの電流を流した。

 司会の男は叫び声をあげて、そのまま口から泡を吹いて倒れる。オークションの参加者たちも騎士団に捕らえられているようだ。

 私はキースさんに近寄っていく。


「いやぁ。人攫いに攫われちゃいまして。どうやって伝えようかなって思ってたんですけど、ぶち壊したほうが速いかなって思いまして。迷惑おかけしました」

「お前帰ってこないから心配したぞ。つれてくるつもりだったんだが、なんでお前が捕らえられてんだよ」

「いやぁ。オーガを倒して、仲間にしてたら油断しまして」

「ったく……。だが、めちゃくちゃにしたのはよくやった」

「ほかにも奴隷がいるんで、解放しちゃいましょうか」

「そうだな。してやろう」


 キースさんは司会の男から鍵を奪い取る。奴隷の手錠の鍵らしく、全部この鍵で開くようだ。奴隷たちの手錠を外し、うちでとりあえず保護して元住んでいた場所に帰すらしい。

 気絶している司会の男も騎士団の手により運ばれていく。


「これで少しは最近きな臭くなってる改革派の動向とかわかればいいんだけどね」

「そう簡単にいくか? ぼろすら出してきてない連中だぞ」

「微妙だね」

「だな……。とりあえず、明日王都に戻ろう。そいつらのことで俺も色々聴取とかあるんだろ」

「ああ。ごめんね。せっかく来たのに」

「構わん。あの二人も連れて帰らなくてはな。それと……まだ居座ってるアンリにも帰ってもらわなくては……」

「大変だねぇ」

「わかってるんならしばらく厄介ごとは押し付けないでくれよ……」

「善処するよ」


 絶対押し付けられるんだろうなァ。










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