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はじめての剣

 アンリさんは私のもとの姿を知って、嘘だ!?といっていたが信じたようだ。

 というのも、兄が珍しいワーナガルムと出会ったといっていた。兄がいるんだ。というか、珍しいワーナガルムって?

 と聞くと、私の特徴ばかり。人懐っこくて雷の力を持っているとか……。


「……あんたの兄ってもしかしてノスタル?」

「そうですけど? 知ってるのですか?」

「あー、言ってなかったな。ノスタルの双子の妹だ」


 ノスタルさんって貴族だったんだ。

 いや、国の官職についてる時点でそうなんだろうなぁとは思っていたけどマジで貴族とは。アレで貴族か……。

 

「元がその、雷のワーナガルムだったら雷の力使えるんですかね?」

「え? あ、どーだろ。試したことないし」

「やってみたらどうだ?」

「やってみる」


 私は雷を使う力を意識してみた。

 すると、バチバチィ!と強い電撃が体から放たれる。放電してしまってるようで、危うくキースさんたちに当たりそうだったのをなんとか抑えたのだった。

 どうやら電気の力は使えるみたいだ。


「使えるようだな」

「みたい。これがあったら戦える!」

「だな。じゃあ、一狩り行くか?」

「いこいこ!」

「だめです! このアンリの目が光るうちは危険な冒険者家業にいかせませんからね!」


 そういって引き留められていた。

 婚約者としては心配だよねぇ。私の心配は何一つされてないからちょっと悲しいけど、まぁ、それは愛があるかないかの違いかな。

 

「私、剣持ってみたかったんだぁ。私ひとりで行ってくる」

「わかりました」

「なら俺も……」

「キース様はダメですう!」


 大変な婚約者様だ。

 私は使用人の人から剣を受け取る。結構重い。振り回すのには相当な力がいるんだろうな。だけど私は剣の腕は未熟でも雷の力があるからな。最悪突き刺してこの剣から電気を流せば解決。

 それに、私だって狼の時に雷の扱い方を大体はマスターしているのだ。行けるはず。


 私はそのまま、魔物が出る地帯へと向かった。

 魔物が出る地帯について、キョロキョロとあたりを見渡してみると、強そうな魔物がいた。だけど、なんか少し様子がおかしい。

 オーガのような魔物がいる。けど、なんだか変だ。血の匂いがする。鼻の良さは狼の時と同じくらいにはいいようだ。

 じゃなくて……。オーガは何をしている? そう思い観察していると、人間の衣服が置かれてあり、頭骨がこてんとオーガから落ちていた。


「に、人間を食ってる……!?」


 リアルでこういう光景を見るのはちょっときつい。

 だけど、そういうので怯んでちゃこの世界、生きていけないよな。私は剣を握りしめ、茂みから飛び出した。

 オーガはすぐこちらの存在に気づき、振り返ろうとしていたが、そこをまずは斬りかかった。

 オーガの背中に傷ができる。オーガは痛くて悶えていた。そして、私は剣を突き刺し電気を大量に流すと、オーガは感電し、そのまま黒焦げになって倒れる。


「フンヌゥウウウウウウ!」

「げ、仲間がいるのかよ……。それも結構多いな!」


 私はオーガの群れに囲まれた。

 オーガは私を殺そうと突撃してくる。私は攻撃を件で受け流す。受け止めるような力は私にはないから受け流すことしかできない。

 どうにかして反撃しないと。ワーナガルムの状態だったら警戒されて攻撃されなかっただろうになぁ。

 放電するか。


「どらぁあああああああ!」


 私は天高く雄たけびを上げると、私に雷が落ちてくる。

 そして、そのまま私は周囲を焼き焦がさんとばかりに電気を放った。電気が届く範囲にいるオーガはこれで殲滅できる。

 電気はすぐに生み出すことができるから、放電状態を維持し続けよう。


「この私をなめるんじゃねぇぞオーガ共!」


 だが次の瞬間。

 木に電気があたり、木が燃え始めた。その火はどんどん広まっていく。


「あ、やべ……」


 山火事が起きてしまった。


「逃げるしかない!」

「フンヌ……!」


 と、逃げようとしているとデカい巨体のオーガがデカい木の下敷きになっていた。オーガも火に気づいて逃げようとしてたところをどうやら木に捕らえられてしまったようだ。

 まぁ、仕方がないか。見逃すこともできるが……。


「オラァ!」


 私は雷を飛ばして木を破壊する。

 木が炭になり砕けていった。


「フンヌ……!」


 オーガはこちらを見ている。そして、そのオーガは走ってきたかと思うと、私にギュッと抱き着いて、私を持ち上げ全力で走ってくれた。

 火が届かない範囲についた。オーガは優しく私を地面におろす。


「フンヌ」

「ありがとうって? いいってことよ。お仲間たくさん殺してごめんな。でもそっちも人間を食ってたんだからお互い様な」

「フンヌ」

「仲間になりたいの?」


 と聞くと頷いた。


「うーん、それは無理だよ。ただ、仲間になりたいんだったらさ……人間のこと助けてあげてよ。私にやったようにさ。魔物に襲われてるところを助けてあげたりしてさ。そっちのほうが私としては嬉しいかな」

「フンヌ~~~~!」


 というとやる気になってくれたようだ。


「フンヌ!」


 オーガはさっそく役に立ってくると言わんばかりに走ってどこかに行ってしまった。

 頭はそこまでよくないっぽいな。単調だ。










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