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ついてる

 今日の夜はダックダックという鳥の魔物をふんだんに使った料理らしい。

 私は骨とか内臓を餌として出された。私も泣いていいですか。私も人間なのにこんな臓物とか食えと。うん、狼ですもんね……。黙っていただきますとも……。もぐ……。


「キースさん……」

「お前らの事情はエレキから聞いた。俺も理解を示す。いくらでも滞在していいからな」

「……はい」

「だけど……いるなら少し働きはしてもらうけどな」

「もちろんです! 働かせてください!」


 委員長たちは頭を勢い良く下げる。

 すると、ひょこっと顔を出したのはキースさんの親父さんのモルドルさん。


「えー! そんなわけわからない言語を読める二人を連れ帰っちゃうのぉ~~~!? まだまだあるのにぃ!」

「……二人、どっちかこっちに残る気はないか」

「……」


 二人とも目を逸らす。

 残りたくない理由はあの黒歴史製造小説だろうなぁと考えつつ、二人は残りたくないと悟ったのか、キースさんは。


「おいていくことはない」


 と、モルドルさんに告げていた。

 モルドルさんはハンカチを口でかみしめ、しくしくと泣いていた。キースさんが苦手にしてる理由分かったわ。こういうかまってちゃんオーラが嫌なんだな……。

 

「さっきはありがとうとか言ってくれたくせに……」

「前言撤回する」

「しくしく……」


 モルドルさんを無視して、食事を続けるキースさん。

 大地さんたちも少し申し訳ないというような顔をして食事を続けていた。私は可哀想という目で見ていると、モルドルさんが抱き着いてくる。


「私の味方はエレキちゃんだけだねぇ~~~!」

「……」


 いつ味方を名乗ったよ。

 まぁ、無下にもできないし何も言わない。ただ食事の邪魔。せっかく骨とかぼりぼりむさぼってるというのに……。


「エレキがうざそうにしているからやめろ」

「しゅん」

「そういうのうざいんだよ……」


 モルドルさんはしゅんとして席に着いた。


「あ、そういえばキース、キース宛にお手紙届いてたけど」

「お手紙? 誰からだ?」

「差出人不明だからねぇ。怖くて開封してないよ」

「……重要な書類だったら誰からかははっきりさせるはずだが。一応開封してみるが……呪いの類があるかもしれん」


 そういって、キースさんは私のほうに持ってくる。


「エレキ、開けてみてくれ」

「私が実験台!?」

「頼む」

「……しょうがないなぁ」


 私は前足を器用に使って爪で切り裂き中を開けてみた。

 何か変なにおいがしてきたかと思ったとたん、私の体が光りはじめる。


「え、え!? 何これ!?」


 そういって、光は私を包み込んだかと思うと。

 ぼふんと煙を上げ、私の体に変化が起きたようだ。体を見てみると。


「……人間?」


 人間に戻った! が。


「声が低いな……。まるで男の人みたいな声になってる気がする」

「男の人見たいじゃなくて……」

「え、エレキさんが男の子になりました!?」

「えっ」


 私男の子になったの!?

 と、確認するために自分の下半身を見ると。ついていた。女の子にはあるまじきものが。












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