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魔物の軍勢

 今回の大群は前回とは違い、ある特定の魔物が攻めてきているわけではなく、多種多様なあらゆる魔物が攻めてきている総力戦という感じがする。

 私は本気で行かなければ死ぬと感じ、雷を自分に落とし、身にまとう。


 そして、私が敵陣に突っ込んでいたその時だった。


「ウキャキャ!」

「ウキーーーー!」


 と、どこかでみたパラダイスモンキーの群れが突然前に横入りしてきた。


『ワーナガルム殿! 我々も戦いますぞ!』

「パラダイスウータン……」

『モンキーども! 人間の住む街に侵攻させたらパラダイスモンキーの恥さらしだと思え!』

「ウキャキャーーーー!」


 なんだこいつら、人間側の救世主か?

 いや、こいつらは人間に襲い掛からず、人間を助けるべく魔物を倒しているというのは話に聞いていたが、ここまでやるか?

 しかもあの配下たちも凶暴化してる雰囲気あるしな……。


『なんか変な香りで我々は少しハイになっております! ぶちのめしてやりましょう!』

「……頼りになるな! ま、私の射程からは少し離れておけよ。感電するからな」


 私はパラダイスモンキーたちにも戦闘を任せ、少し離れた大群を相手することにした。

 雷を飛ばし、爪で切り裂き、牙で噛みちぎる。騎士団長が呼んできた騎士団たちが後ろに控えている。


「なんか増えてないか!?」

「騎士団長! パラダイスモンキーは味方だから手を出すなよ!」

「み、味方ぁ!?」

「ああ、パラダイスウータン! 説明してやれ!」

『了解です!』


 パラダイスウータンは持ち場を離れ、騎士団長に説明に向かった。

 なにやら私の人間を守るという使命に感化され、我々も人間の味方をすることにしたとか言っていた。パラダイスモンキーたちは私が率いており、魔物と全面的に戦っていると告げると、半信半疑の様子だが、信じることにしたようだ。


「全体! パラダイスモンキー以外の魔物の掃討! パラダイスモンキーを故意に殺した場合は処罰が下ると思え! では、かかれ!」


 騎士団も戦闘に加わり、魔物の大群との攻防は続く。

 騎士団長は私に近寄ってきた。


「この暴れた魔物はフルクトゥスドラゴンが何とかしてくれるとか言ってなかったか!」

「あの森の魔物はフルクが全部やってくれたと思う。多分こいつらは違うところから来たんだと思うけど! フルクはまじめだからやるといったらやるんだよ!」

「となると、敵はもしかしたら一人じゃないのかもしれませんな!」

「そういうことになるね」


 敵は一人ではない。

 あのミリオストロー子爵以外にももしかしたらあの薬品をぶちまけた犯人だっているはず。


「あ、団長、危ない……!」


 と、騎士団長は次の瞬間、大きく吹っ飛ばされた。

 咄嗟に守りの姿勢を取っていたが、強い衝撃が与えられてボールのようにはねて、動かなくなっていた。私は攻撃が来た方向を見ると、そこには筋肉ムキムキの二足歩行のライオンがいた。

 ライオンは天高く吠える。


「なんだこいつは」

「そいつはSランク級のモンスター……バトルレオです!」

「なるほど。このパンチを食らったから……。騎士団長の安否を確認したほうがいいかもね。私がこのライオンやるしかないか」

「ガルルルル……」


 ライオンは牙をむき出しにして、こちらをじっと見つめていた。

 私は再び雷を纏う。ライオンより狼のほうがかっこいい。だから私のほうが勝ちます。














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