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放電します

 この四人組は家を持っているらしい。

 結構広い家……というか、これは四人組のリーダーが所有している家なのだそうだ。


「……わふぅ」


 見た感想は、広くてすごいだった。

 こんな広い家に住む財力……。喜んでペットになります。ご主人様。


 私は家の中に通される。家もものすごく広かった。四人にそれぞれ部屋が分け与えられており、共同生活を送っているみたいだ。

 私にも狼小屋みたいな感じでこの部屋が出入り口デカいからこの部屋に住まわせようといっていた。扉を壊していたのでいつでも出入りできるようにしている。徘徊するのも自由らしい。変なことをしたら首輪をつながれそうだから変なことはしない。だが探検はしたいな。


 というか、今更なんだが一方通行で言葉を理解しているというのは少しむず痒い。今はわふ、とかしかしゃべれないがなんとか努力して人間の言葉をしゃべれないだろうか。

 ……もともと人間なんだけどなァ。

 なんで私は狼に転生してるんですかね。


 とりあえず、しばらくの目標は人間の言葉をしゃべること……。

 それはそれとして探検に向かおうかな。どこになにがあるか、そういうのは調べておきたいし。私は部屋を飛び出して探検に向かうのだった。

 この家には執事がいて、メイドもいる。メイドたちもせわしなく動いているが、私を見ると少し怖いのか道を譲ってくれる。すまんね。


「わふぅ」


 にしてもこの家広いな……。私が住んでた家の三倍はあるぞ。

 わかりやすく貴族が住む家って感じ。もしかしてリーダーって割と身分ある感じの人なんだろうか?


「わふ」

「おや、ワーナガルム様。いかようで」

「わふ」

「うーん、さすがに動物語はわかりませんねぇ」


 近くにいた執事に挨拶してみるが挨拶してるのをわかってもらえてないみたいだ。人間の言葉をしゃべれたらおはようとかいうのに。

 私はてくてくとこの家を歩き回ってみる。厨房の位置、風呂場の位置、トイレの位置。外に出るには外に出たい意思を示したら執事の人が開けてくれたので庭先も探索できた。

 庭は走り回れるくらいに広い。私もちょっと走ってみたら雷が起きていた。走ることで毛が擦られ、ものすごい静電気を生むらしく、それが強い電撃となるみたいでビリビリと電撃をまとった状態になってしまった。


「ワーナガルム様!」

「わふぅ!」


 触っちゃダメ! びりびりする!

 私はけん制するかのように叫ぶと、やはり魔物だ……!といって主人を呼びに行ったようだった。主人のあの四人組のリーダーは私の姿を見ると、すぐ理解したようだ。


「多分こいつは触ったらビリビリするから触るなって言いたかったんだろう。電気を放電しているだろ? 触ったら感電するぞ」

「そ、そうだったのでありますか」

「なんでここまで帯電した?」

「走り回っていただけでああなりました」

「そうか。マスター曰く、静電気が起こりやすい体毛だから、走ったことで擦られて電気が生成されたんだろうな。それでここまで強い電撃を……。成体になったらとてつもないな」


 そういうことです。


「心配かけた。行っていい」

「はっ」


 そういって、執事は家の中に入っていく。


「走るだけで電気を纏う、か。さすがは魔物だな。人間様のためには体ができていない」

「わふ」

「ワーナガルムがここまで人懐っこいのも妙だが……。友好的であるなら越したことないな。とりあえずお前……名前を決めたほうがいいな。お前っていうのもあれだし。そうだな……。雷、だからエレキだな。エレキ。お前は今日からエレキだ」

「わふ」


 エレキって名前を付けられた。

 

「エレキはその電気が放電しきるまで家の中には入らないでくれ。ワーナガルムは知能が高い。すぐ理解できるだろう?」

「わふ」


 まぁ、さすがにこの状態じゃ入れてくれませんよね。











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