ホフゴブリン軍隊戦
何十という数じゃ収まらず、下手すると何百もいるであろうホフゴブリンの軍隊。
さすがにこの数は相手しきれないとガントルさんがこぼす。
「しょうがねぇ! お前ら、こいつらが下るのを少し待つ! 人が足りねぇ! 少し街まで近づけさせて援軍呼んだほうがいい! こっからじゃ距離がありすぎる!」
「そ、そうね。とりあえず報告に帰りましょう! さすがにこれは……」
「……ですが、ホフゴブリンはどこの街に向かっているのでしょう? このまままっすぐ行けば王都につきますが……王都を狙ってるとは限りません。誰か見張りを残しておいたほうが良いのではないでしょうか?」
「そうだな。じゃあ、俺とミリアで残る。ノエルはエレキに乗って王都に報告!」
「いや、そうともいかないみたい。すでに囲まれたよ」
と、話しているのに夢中になっていたのか、周りにはホフゴブリンがすでに取り囲んでいた。
「ばれてたのね……」
「これじゃ戦うしかないじゃないか」
「エレキ、私は戦えませんので私の代わりに……」
「任せて」
私は開幕、雷をぶっ放した。
私は前足を大きく振るうと、一直線に雷が飛んでいく。雷が当たったゴブリンは真っ黒に焦げ、そのまま死んだ。
「ワオォーーーーーーーン!」
空に咆哮。そして、そのままハイテンションでゴブリンの群れに突撃していった。
体に矢が刺さる。が、そんなの関係ない。二人が戦っている場所から少し離れて、思いっきり放電したのだった。
放電で、結構な数のゴブリンが感電し、その場で倒れて息絶える。
私はまた再び全力で走り電気を貯めた。
「やばっ! なんだこれ! 楽しいーーーーー!」
「エレキがハイテンションですね」
「やっぱ敵にしたくねェわ! この電気、俺らでも即死だぞ!」
「自然災害を操る魔物ってそれだけで脅威ね……。災害級の魔物だわ……」
私はどんどんホフゴブリンを屠っていく。
牙で噛みちぎり、爪で切り裂き、電撃で焼き焦がす。人間相手じゃないから殺しても文句言われないのは最高だぜ!
だけど……戦闘経験がほとんどないからな。割と被弾はしてる。
「ん?」
軍隊を屠っていると、奥に何か巨大なゴブリンがいるのが見えた。
あれが軍隊を指揮している。リーダーだな。あいつをぶっ倒せば統率がなくなるんじゃないだろうか。
私はそのリーダーめがけて走っていく。そして、思いっきりそのリーダーめがけて雷をぶっ飛ばしてやった。
雷は防ぐすべなく、リーダーはそのまま感電して死んでしまったのだった。
ゴブリンのリーダーが死に、周りのゴブリンは私の実力を今更思い知ったらしい。
武器を捨てて、死んだゴブリンの亡骸を持って帰るわけでもなく、そのまま走って逃げて行こうとしていた。
私は全力で追いかけ、放電。一匹たりとも逃すかよ。
ゴブリンたちはそのまま、感電し、死んでしまった。
私は残党兵を片っ端からぶっ殺していき、とうとうゴブリンの殲滅は終わった。
私はそのままノエルさんのところに向かう。刺さった矢を引っこ抜いて欲しい。毒塗ってあるけどなんか私には効かないみたい。
「こんな怪我まで負ってよく……」
「敵対しなくてよかったぜ……。出会ってそこまで経ってねぇのにこんな力……」
「流石ワーナガルムね……。Sランクと呼ばれる所以はあるわ。戦闘センスが高い」
いや、他のワーナガルムの方が私より実力ありそうだけど。私は雷ありきだし。




