死にたくない!
私の名前は大神 雷葉。女子高生だ。顔はそこそこ……というかわりかし可愛い方だとは思う。
いつものように学校に登校していた。
「すんません、遅刻しまし……」
と、遅刻しているがとりあえず教室に入ると何か修羅場だった。
ナイフを突きつけている男、手を挙げ、教室の片隅に固まってるクラスメイトとそれを守るかのように立ち塞がる先生。
「え、何コレ」
「騒ぐな!」
男は私にナイフを突きつけてくる。
私は両手をあげて降伏の意を示した。
「変な動きすんじゃねえぞ。ゆっくりあいつらのところにいけ」
「……」
というので私はいう通りにした。
なんか知らないけど、テロリストみたいなのが学校で立てこもっているらしい。
なんて日だ……。こんなことあるのかよ。いまだに脳がバグっていて処理が追いついてないぞ……。
そして、立てこもってから数時間が経過しただろうか。
3時間目が終わるチャイムが鳴り響く。外にはパトカーが沢山停まっており、よくドラマで見る突撃部隊みたいな感じの人もいる。
「おい、お前来い」
と、私の肩を掴む男。
「え、なんすか!?」
「せ、生徒に手を出すな! 人質なら私が行く!」
「テメェみてえな大人殺しても意味ねえんだよ! 俺らは女子供も差別しねえで殺すってことを見せなくちゃならねえ!」
「えっ、私殺される!?」
「静かにしろ! 抵抗すんじゃねえ! 抵抗したらこの場の全員殺してやるからな!」
と、怒鳴られた。
殺されると聞いて、ものすごく怖い。どうにかして逃げたい。けど、逃げたら……。
わ、私が犠牲になった方が、いいの、かなぁ?
死にたくない……。けどぉ……。私が逃げたらこいつら殺されるとかいうし……。
「死ぬのやだぁああああああ!!」
「騒ぐな! 警察が素直なら殺しゃしねえよ!」
「で、でも!」
「あー、うぜえ」
男は、私の胸元にナイフを突き立てた。
白い制服に赤い液体が染み渡る。私は意識がどんどん薄れてきた。
「きゃああああああ!?」
「大神!」
「騒ぐんじゃねえ! てめえらもこいつみてえになりてえか!」
畜生……。こんなとこで死ぬのかよ……。
私は、もう無理だ。ならやることは一つ。私は刺さっているナイフを引っこ抜き、油断している男の首筋に突き刺した。
「んなっ……!」
「私も死ぬんなら……道連れにしてやる……! 共に地獄に堕ちようぜ……人殺し……」
「かはっ……」
男はそのまま血を流して倒れた。
私も、そろそろ限界が近い。根性で起き上がったが、もう、身体的にも無理だ。死ぬ。
クソ……まだ生きたかった……。死にたく、ねぇ、よ……。
そう思いながら、私は意識を手放したのだった。