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とあるイケメン童貞の苦難  作者: バネ屋
プロローグ
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#03 イケメン中2時代




 中学2年生になっても相変わらず「フレンドリーなイケメンに見えて、キレると全く容赦しない狂犬」と言う俺のイメージは定着したままで、2年の同級生や3年生の先輩女子との恋愛は諦めていた。

 しかし、その反動で益々サッカーに打ち込み、遂に2年生で唯一のレギュラーになれた。 そんなサッカー部に1年生の美少女がマネージャーとして入部した。


 その子の名前は『アユミ』

 後輩キャラを地で行くような元気一杯の女子で、いつも笑顔を絶やさずくりくりした目が印象的な美少女で、引き締まった体つきだったが胸は大きく健康的で爽やかなの女の子だった。

 そのアユミの方から「グラウンドを走るマゴイチ先輩がすっごく素敵で憧れてました!好きです!マゴイチ先輩の彼女にして下さい!」と告白され、迷うことなく即答でOKした。



 アユミはとても素直で献身的な子で、部活中は人一倍動き回ってマネージャーとしての役目を果たし、部活が終われば二人きりで一緒に下校して、歩きながらも練習中や試合の時の俺のことを沢山褒めてくれて、家まで送ると「送ってくれてありがとうございました。おやすみなさい」といじらしい表情で言ってくれるのがたまらなく可愛かった。



 そんな年下の彼女との甘酸っぱく楽しい日々を送っていたある日の部活中、テーピングが必要になったんだが、マネージャーであるアユミの姿が見当たらず、仕方ないので自分で部室へ取りに行き、部室入口の前に立つと室内から人の話し声がかすかに聞こえた。


「みんな一生懸命練習してるっていうのに、誰だよサボってんのは」と思いながら扉を開けようとすると鍵が掛かっていた。 仕方ないので裏に回って窓からこっそり覗くと、中ではアユミと部員1年の後輩男子が二人きりで抱き合っていた。


「またこのパターンかよ!」と思った瞬間、キスを始めた。

「俺はまだだっていうのに!1年のクセに!」と未だキス未経験の俺が怒りに打ち震えていると、後輩男子がキスをしながらアユミの胸を体操服の上から揉み始めた。


 そこでプッツンした。


 表の入口に戻って10メートル程助走をつけて扉に体当たりをかまして扉を破壊。そのまま後輩男子に向かって突進して、スパイクのまま無言でドロップキックを喰らわせ、ロッカーまで吹き飛んだ後輩男子をスパイクで蹴り続けた。勿論容赦なくトゥキックだ。


 後輩男子がゲロ吐きながら「すんませんすんません」と息も絶え絶えに謝り始めると少し冷静になって、アユミの方へ視線を向けた。 アユミは腰を抜かしてブルブル震えながら失禁していた。

 部室はゲロの酸っぱい匂いとおしっこの香ばしい匂いで充満しはじめていた。


 俺は二人をそのまま残し一旦部室の外に出て、「1年全員!部室前に集合!ダッシュで来いや!」と大声で叫び、グランドで基礎練中のサッカー部1年全員を招集した。


 1年の後輩達が集まると、「アユミが部活中にコソコソ隠れて1年男子の一人とサボって部室でイチャイチャ浮気していた!そして今、こいつらが部室内をゲロとおしっこで汚して大惨事だ!連帯責任で今から1年で掃除しろ!」と命令して、部室の掃除という名の吊し上げを敢行した。


 俺の迅速な対処のお蔭か、翌日には1年の部員たちによって「アユミが浮気してマゴイチ先輩を激怒させ、ビビって部室でおしっこ漏らした。しかも相手の男子はゲロまみれだった」という噂が1年生の間で広められ、浮気相手の後輩男子は「ゲロ男」とあだ名が付けられ、アユミの方は「サッカー部レギュラーでイケメンの先輩彼氏が居たのに、浮気しちゃう将来有望なビッチ」と噂が広まり、卒業するまでお漏らしビッチと呼ばれ続けた、らしい。


 だが俺の方も「イケメン先輩怒らせると、スパイクのままドロップキックされる。狂犬の噂は本当だった」と1年生の間でも恐れられるようになってしまい、只でさえこれまで2~3年女子から距離置かれてたというのに、1年の女子からも恐怖の対象として見られるようになってしまった。当然この年もバレンタインのチョコはゼロだった。



 因みにこの件は、既に中学を卒業していたアフロには報告しなかった。



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