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とあるイケメン童貞の苦難  作者: バネ屋
2部 部活スターット!
15/90

#15 女神の過去とイケメンの本領発揮



 店員さんに案内されてテーブル席に向かい合って座ると、アクア先輩はメニューを手に取りテーブルの中央に開いた。


「うう~ドレもおいしそうぉ。でもやっぱりココはお店イチ推しのふわふわパンケーキかなぁ。あ、ココのお店、色々トッピングも追加で注文できるみたいだよ。どーしよっかなぁ、ホイップクリームは外せないでしょぉ、あとはイチゴも載せちゃおっかなぁ。 ねね!マゴイチ君は何注文するの?」


「俺はお腹いっぱいなんで、紅茶だけでいいです。ダージリンにしとこっかな」


「ダージリンね!私も紅茶も注文しちゃおっかな。ダージリンのミルクティーとふわふわパンケーキにホイップとイチゴをトッピングで、後は・・・モンブランも美味しそう・・・うう~でも今日はモンブランはヤメとこ」


「じゃぁ店員さん呼びますね」


「うん!」



 注文を終えるとようやく一息着いた。


「今日は買い出しに付き合ってくれて、ありがとうございました」


「ううん、私も凄く楽しかったよ、うふふ。  こんな風に男の子とお出かけするの初めてで、凄っごく楽しみにしてたんだけど、マゴイチ君がずっとリードしてくれて本当に楽しかったぁ」うふふ



 ふむ。

 ご機嫌ならば、ちょっとつついてみるか。



「そうですか、そう言って貰えると嬉しいっす。 でも、男の子とお出かけするの初めてってちょっと意外です。アクア先輩って料理部でも男子の俺の事、凄く親身に面倒見てくれてたし、てっきり男子の友達とか沢山居て、普段から男子とよく遊びに出かけているのかと思ってたっすよ」


「うーん、私、太ってるし顔もブスだし、学校でも男子からは全然相手になんかされてないよ・・・。 でもマゴイチ君は違うんだよね。最初料理部に入部してきたときは、超が付くほどのイケメンの子が一人で来たからみんなすっごいビックリしててね。私たちって非モテ女子集団だから普通の男子でも寄り付かないのに、いきなり凄いのが来たもんだからね。でも全然気取って無いし気さくで話しやすいし、マゴイチ君はそんな私たちにもいつもフレンドリーで女の子として扱ってくれるから、私も最初は緊張したけど、直ぐに友達みたいに話せるようになってたかな。うふふ」


「アクア先輩は、デブでもブスでもないですよ。いつもニコニコしてて愛嬌があって、とてもチャーミングな女性です。 それに俺の方こそ、全然料理とかしたこと無いクセに料理部入って、何にも分からないところをアクア先輩が色々面倒見てくれて、まだ皮剥きくらいしか出来ないっすけど料理のことも好きになったし部活楽しくなったしで、頼れて優しいアクア先輩にはホント感謝してます」



 ちょっとシリアスに話し込んでていい雰囲気になってた所で、注文していたドリンクとパンケーキが運ばれてきた。


 でも、店員さんが離れてもアクア先輩はパンケーキに手を付けようとせずに、話を続けた。



「信じられないかもしれないけど、昔はこんな風に太って無かったんだよ? 『アクア』って私の名前、変でしょ? 名前のことで小学校の頃からよく揶揄からかわれてね、男子とかにいっつも「メガミのクセに地味でブス~」とか言われてイジメられるし、女の子たちからも笑われてて、友達とかほとんど居なかったの。 だからいつも家で一人でぬいぐるみとか相手にオママゴトみたいなことして遊んでたりして、その内その延長で料理とかお菓子作りとかお洋服とか作るのにハマりだしてね、自分で料理しては自分で食べてって毎日の様に過ごしてたら、こんな風に太っちゃって、そのせいで更に周りと馴染めないようになっちゃってね」


 なんかヤケに重い話ぶっこんできたぞ。

 でもこんな話を俺に聞かせてくれるってことは、俺のことを信頼してくれてるってことだよな。 ココは、俺のイケメントークの腕の見せ所だな。


「多分ですけど、アクア先輩の事を揶揄ってた男子って、アクア先輩のことが好きだったんじゃないですか? よくあるじゃないですか、ガキの頃って生意気なクセに恥ずかしがり屋で、好きな子のこととかバレるのが恰好悪いとか思っちゃって、好きなクセに揶揄ったりイジメたりする奴。話聞いてると、なんかそんな気がします。 だってアクア先輩、俺にとってはお世辞じゃなくてマジで優しくてすっごくいい先輩だし、俺に笑顔とか向けてくれる度に、ほっこりとした気分になれて冗談じゃなくてホントに「女神さまだぁ」って思ってましたから」


「ううう、そんなこと言ってくれるの、マゴイチ君だけだよぉ。 イケメンのマゴイチ君にそんな風に言われると恥ずかしくて顔が熱くなってきちゃったぁ」


「ふふふ、照れてるアクア先輩、すごく可愛いですよ」


「もー、あんまり揶揄わないでぇ。ホント、マゴイチ君って女の子の扱いすっごく慣れてるよね? こんなの勘違いしちゃうよぉ」



 あまりやり過ぎても良くないか。

 ホドホドにしといたほうが良いよな。



「そんなことより、折角楽しみにしてたパンケーキ、食べた方が良いですよ?」


「う、うん。そうだね。頂くね。マゴイチ君も一口食べてみる?」


「じゃあ一口だけ味見させて貰おうかな」


「うん!ちょっと待ってね。シロップ沢山かけたところあげるからね」



 アクア先輩はそう言いながらフォークとナイフを手に取って一口サイズに切り取り、それにシロップを沢山掛けてくれたので、「そのまま食べさせて下さい」とお願いして身を乗り出して口をアーンと開けると、アクア先輩は赤面しながらテーブル越しに食べさせてくれた。


「これが噂の「お口にアーン」ってヤツなんだね・・・。 なんだかすっごくドキドキしちゃったぁ。うふふ」


「こういうのも楽しいでしょ? 一人で食べるよりも、こういうお店は二人とかで来た方のが絶対に楽しいですよね」


「うん。でも相手がマゴイチ君だからだと思う・・・」


「そう言って貰えると後輩冥利に尽きます。また来ましょうね」


「うん。また来たいね。うふふ」





 こうして、アクア先輩との食材の買い出しにかこつけたデートは、大成功に終わった。

 アクア先輩は俺の事を後輩としてだけでなく、男として意識しはじめている。

 ココまで来たらアクア先輩が俺の恋人になってくれるのは、もはや時間の問題だろう。


 そうなれば、念願の恋人とのイチャイチャラブラブタイムが遂に俺にも!


 


 あと爆乳も。






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