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とあるイケメン童貞の苦難  作者: バネ屋
2部 部活スターット!
12/90

#12 イケメンの部活選び

 ※時間軸が1部と少し前後します。



 放課後の部活動見学が解禁されて、俺も早速各部を見学して回った。


 一応、サッカー部とバスケ部から声を掛けられたが、客観的に運動部の練習見てて、ふと気が付いた。


 運動部で真面目に取り組む姿は、確かに恰好良く見えてモテるかもしれない。実際に、俺も小中とサッカー真面目にやってて、モテてた時期もあったし。 しかし、俺はモテたい訳じゃない。モテなくて良いから、たった一人、この人だ!という彼女を作ってイチャイチャラブラブをしたいのだ。 

 で、過去の俺はどうだったかと思い返すと、クラブや部活に時間を取られて、当時の彼女と過ごす時間は少なかったと思う。 それに真面目に部活している裏でコソコソ浮気されたこともあったし。


 そう考えると、彼女を作ってイチャイチャすることを考えると、運動部に入るのは悪手なのではないかと気づいた。


 ということで、運動部は止めて文化系の部活動を見て回ることにした。

 文化系でも吹奏楽部みたいに毎日部活があるようなガチな所では無く、もっと緩い所は無いかと三日ほどかけてのんびり探して回った。


 目ぼしい所としては、文芸部、科学部、数学部に料理部などなど。

 それに、無理に部活に入らずに帰宅部という選択肢もあるし、部活に関しては気楽に選ぶことにした。


 しかし、俺は気楽でも各部の方は気楽とはいかないのか、文化系はどの部でも俺が顔を出すと空気が凍ってしまい、見学してても気不味さMAXであまり長く見学は出来なかった。

 そんな中、料理部を見学していた時にたまたま同じクラスの女子二人組が同じく見学に来てて、その二人と小声でお喋りしていると料理部の人たちも凍り付いていた空気が直ぐに氷解して、活動内容を色々説明してくれたり手作りのクッキーなんかを食べさせてくれた。


 部活の活動内容は、週に2回(火と木)で大会とかに出場するようなガチな活動は無く、みんなで好きな物を作って自分たちで試食してワイワイお喋りするのがメインの活動で、年間通しての一番のイベントは、学校祭の時に手作りお菓子の販売だそうだ。

 現在の部員は、3年が3人、2年が2人、1年は今のところゼロで、全員女性で皆さんのんびりした雰囲気の優しそうな人たちばかりだった。 俺みたいな男子生徒や料理が不慣れな素人はどうか?と聞くと、むしろ大歓迎とも言って貰えた。


 条件的にはかなり良いと思う。

 それに、学校祭でお菓子作って販売するというのも、楽しそうでちょっと憧れる。


 とりあえずその場では保留にして、一応「前向きに検討します」と伝えて、ご馳走様でしたと退出した。 一緒に居た女子二人に感想を聞くと、その二人は「なんか太りそうだし、別の文化部に行くと思う」と言う。


 確かに料理部の先輩方はみんな、ぽっちゃりしていた。

 多分だけど、料理部に入って太ったというよりも、元々料理や食べるの好きでぽっちゃりしてた人たちが集まった部活なんだろうと思う。


 まぁ焦ることは無いよな。

 第一候補としてキープだな。


 と、料理部への入部は、かなり前向きに考えていた。



 ◇



 色々悩んだが、結局料理部に入部することにした。


 5月の連休明け早々の放課後、入部届を持って料理部の本拠地である家庭科室を訪ねると、驚かれたが大歓迎された。

 料理部の今年の入部者は、俺以外に二人居た。1年の違うクラスで笹山さんと長山さんと言い、俺は知らなかったが俺と同じ西中出身らしい。


 西中では『狂犬マゴイチ』と認識されていた俺が入部したことで、最初は若干怖がられてた感じもあったが、その辺りは先輩たちが上手く気を使ってくれて、特に問題になるようなことは起きなかった。


 中でも2年生の『村田アクア』さんという先輩が色々気を回してくれてて、俺に食材や調味料に道具の名前や包丁なんかの使い方や、レシピに書かれている専門用語の意味とか、親切丁寧に教えてくれた。



 アクア先輩は名前が日本人っぽくないが、ハーフでは無く両親とも日本人で、でもあだ名とかでは無く本名。所謂キラキラネームというヤツだった。当たり前だけど、顔も普通にアジア人顔。

 アクア先輩は他の料理部の先輩達と同様にぽっちゃり体形でおっぱいはかなりデカい。恐らく俺が過去に出会った女性の中でも一番デカいのではないだろうか。アフロよりも明らかにデカい。

 容姿に関しては、髪型はミディアムショートくらいの長さで前髪が若干長くておでことかも普段から隠れている。 顔は決してブサイクだとは思わないが、ぽっちゃりしてて丸々としたドコかゆるきゃらの様な愛嬌がある顔だ。 

 普段から人畜無害で大人しそうな雰囲気でいつもニコニコしてて、見た目も性格もふわふわぽわぽわしてて年上らしく包容力もあって、でも部活中に調理してる時とか俺に色々教えてくれる時なんかはテキパキしてて、俺にとっては「こんな人がお姉ちゃんだったらいいな」と思うような、頼れる優しい先輩といったイメージだった。

 同じ年上女性でも、アフロや優木会長とは大違いだ。彼女にするならこういう人が良いのかもしれないな。そして、俺の掲げる彼女の条件に見事なまでに合致しているな。かなり理想的だ。



 そんなアクア先輩がいつも気遣ってくれてたお陰で、俺も徐々に料理部のみんなと馴染むことが出来た。 同じ西中出身の1年の笹山さんや長山さんとも冗談を言い合えるくらいには親しくなったし、部長を始めとした他の先輩たちからも俺の馬鹿話にツッコミを入れて貰えるくらいになっていた。



 中学まで運動部でゴリゴリの体育会系だった俺には、文化系のゆるい雰囲気は新鮮だったし、中学時代は全学年の女子に距離を取られてて、女の子たちとのんびり気軽にお喋りを楽しむ様な時間がほとんど無かった反動で、週に2度の料理部の女の子たちとの料理をしたりお喋りしたりする時間は毎週楽しみになってて、高校生活にも張り合いを感じるようになっていた。




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