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死刑囚ハーレム  作者: violet
自己紹介
7/25

1話

 死刑囚にしろ、その他受刑者にしろ、長期間の拘束は囚人たちの人生に少なからず影響を及ぼす。


 特に未成年の頃に拘束されると、真っ当な教育が施されないために影響は甚大である。


 だからこそ少年院という施設によって矯正、教育が施されるのだ。


 しかし死刑囚となった未成年は別である。彼らはどうせ死刑となるために、懲役がなければ教育も施されない。


 だが死刑制度は廃止となった。死刑が科せられた囚人たちは無期刑に変更される。


 無期刑とはすなわち、無期懲役のことだ。刑期が一生涯に渡る、死刑に次ぐ重い刑である。


 ただし無期刑であっても10年経てば仮釈放の可能性が出てくる。社会復帰の可能性があるのだ。


 よって未成年時に死刑囚となってしまった者たちに、直ちに矯正と教育を施す必要がある。


 それも学校という環境から隔絶され、死刑囚であるがゆえに教育も施されなかった者たちの為の、特別な指導が必要だ。


 俺が赴任された学校は、そのためのものである。


「やっべー。男のイケメンとか久しぶりに見た。あー、ムラムラするぅー」


 攻撃的な印象だった生徒の一人が言った。彼女の名は火口(ひぐち) (れん)。22歳。短髪でボーイッシュな風貌の彼女は、しかしその顔はどこか女性らしい可愛らしさがあった。


「というか彩ちゃん。先生と知り合いなんだー?」


 幼げな印象の二人目が言った。彼女の名は水卜(みうら) 心香(ここ)。21歳。背は小さく、顔も幼げである彼女だが、なんと成人しているという。


「ああ。私は彼の家族を皆殺しにしてしまったんだよ」


 そして黒ノ彩。24歳。


 彼女含む女子生徒三人は、学校の試験運用のサンプルとして選ばれた三人である。


 全員が女性であるのは偶然で、条件に近い者が彼女たちだけだったらしい。


 そして彼女たちは、俺の判断次第で仮釈放のチャンスが与えられる。最速で10年、しかし現状では30年以上掛かる者がほとんどと言われる、仮釈放のチャンスだ。


「おい、黒ノ」


 俺は黒ノに呼びかける。仮釈放とか、今の俺の頭には全くない。


「うん、どうした?」


 飄々(ひょうひょう)とした態度で、黒ノは返事をした。


「どうしてお前が生きている? 死刑は、6ヶ月以内に執行されるんじゃなかったのか」


 俺は怒りを堪えながら言った。


「ああ、そうか。被害者遺族には、死刑執行の通知がされないんだったな。通知がされないから、死刑が執行されたかどうかの判断がつかない、という訳だ」


 と黒ノは一人納得した。

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