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死刑囚ハーレム  作者: violet
自己紹介
10/25

4話

 俺は再び教壇に立つ。


 そう信じるとことができるということを、信じることにしたのだ。


「今日からお前らの担任となる、城島正だ」


 黒板に書いた後、俺は生徒たちを見る。


 火口蓮、水卜心香、そして黒ノ彩。彼女たちの髪型はある程度自由であった。意外にも刑務所には美容室があったりなど、髪型の自由にある程度の配慮がされている。


 まあ彼女たちは元死刑囚で懲役がなかった。よって彼女たちは刑務所でなく拘置所という場所にいたのだが。


 そして彼女たちは制服を着ていた。女子高生というよりも大人びた、大学に制服にあったらこんな制服だろうといった感じの、制服である。


 囚人服でないのは、この学校が設立されたことによる特別処置だ。


「性欲は発散できたようで、なによりだよ。なあ……」


 黒ノがニヤリと笑って言う。


「城島、先生」


 まるで俺が先程まで自慰に耽っていたかのような言い草である。要するに、馬鹿にしているのだろう。


「やだぁー先生、へんたぁーい! 私たちをオカズにするなんて、えっちぃー!」


 水卜が面白がって、黒ノに便乗した。彼女は(いや)らしく口角を釣り上げ、、右手で口元を押さえつつ、クスクスと笑った。


 彼女たちの挑発に乗ってはだめだ。心をかき乱されるだけだということに、先程思い知ったばかりだ。


「じゃあとりあえず、お前らの自己紹介からだ。火口」


 俺は火口に指示した。


「もう済ませてるぜ」


 ふてぶてしく、火口は言った。そういえば、水卜は黒ノのことを ”彩ちゃん” と呼んでいた。


「俺がお前達を知らないんだ。いいから、やれ」


 すると火口は、やれやれといった感じで起立した。一応、言うことには従うらしい。


「俺は火口蓮。22歳」


 とだけ言って、火口は座ってしまう。


 こいつは自身のことを、俺、と呼称するのか。まあ、キャラに合っているけれど。しかし今は、そんなことよりも。


「おい火口、誰が座って良いと言った?」

「あん? これ以上、何を話せって言うんだよ」


 と火口は言うので、俺は趣味とか、好きなこととかを提案しようとしたが、やめておいた。拘置所で死刑を待つだけだった奴に、そんなものがあるとは思えなかった。


「じゃあ、お前の罪を話せ」


 俺が言うと、火口はギロリと俺のことを睨んだ。


「そんなこと、調べりゃ分かんだろ」


 もちろん、その通りだ。だがもう教育は始まっている。罪を自ら口にすることによって、その罪を自覚させるのだ。


「良いから言え。聞かされてないのか? お前らの仮釈放のチャンスは俺が握っているんだ。口答えしない方が、身のためだ」


 俺は冷酷にそう突きつけると、彼女は舌打ちをした後に再び立ち上がり、そして語り始めた。

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