各チームの前半戦評価と後半戦予想③
【ウエスタンカンファレンス】
■サウスウエストディビジョン
ウエストで再建モードにあるチームが多いディビジョンで、若手有望株が多くいます。
20年以上の連続プレイオフ進出が途切れたスパーズの躍進や、NBAの若き至宝であるルカ・ドンチッチ擁するマブスの低迷など意外性のある出来事が起こっているディビジョンでもあります。
◎サンアントニオ・スパーズ
■前半戦終了時の成績:18勝14敗(ウエスト7位)
■後半戦の目標:プレイオフへの返り咲き(進出)
■補強ポイント:
開幕前の低評価を覆すサプライズな躍進を遂げているのがスパーズです。
この躍進の要因は『名将』グレッグ・ポポビッチHCの存在でしょうね。
デマー・デローサンやラマーカス・オルドリッジなどのスター選手はいるものの、峠を過ぎたベテランでフランチャイズプレイヤーと呼べるほどではありません。
突出したスーパースターのいないスパーズは今季もプレイオフ進出は絶望視されていましたが、前半戦を終えてプレイオフ進出ラインにいるのですから、これはサプライズと言っていいと思います。
これはポポビッチHCの選手起用の巧妙さと育成によるものでしょうね。
キャリア終盤に片足をつけているオルドリッジのセンター起用は見事で、地味ながら結果は残しています。
補強課題としては今季終了後に退団の可能性が高いデローサンの後釜を確保することですかね。
SFは層が薄いのでデローサンのことがなくても補強の必要はああります。
しかし、デローサンの後釜も緊急に獲得すべき事案ではなく、スパーズらしくしっかり吟味したうえで判断してほしいですね。
ドラフトで獲得しても構わないのですから。
後半戦はプレイオフ進出に向けて今の順位を死守することが至上命題ですね。
3月はシクサーズとの対戦もありますが、重要なのはクリッパーズとの連戦でしょう。
1つは勝ちたいですが、連敗しても問題無いように他で取りこぼしがないようにしておきたいですね。
スパーズがシーズン中に大型トレードを敢行する可能性は低いとはいえ、デローサンを放出してドラフト指名権などの見返りを求める可能性はあります。
プレイオフ進出の可能性が無くなった場合はその可能性が高まりますね。
◎メンフィス・グリズリーズ
■前半戦終了時の成績:16勝16敗(ウエスト10位)
■後半戦の目標:プレイオフ進出、若手の成長促進
■補強ポイント:経験豊富なベテラン、爆発力のあるインスタントスコアラー
エースを2年目のジャ・モラントが務め、若手が多くて勢いにのれば強豪撃破も可能ですがあっさり負けることもあるアップダウンが激しい評価しづらいチームです。
主力のジャレン・ジャクソンJr.の復帰時期が未定で、エースのモラントが怪我で欠場したりして戦力が揃わないことがあっても、この位置にいるのですから、前半戦は及第点をあげてもいいと思います。
補強戦略としてはジャクソンJr.の復帰時期が未定なPFは2年目のブランドン・クラーク(八村塁の大学同期)が頑張っていますが、戦力不足は否定できません。
またSGの層の薄さも問題です。
ここにリーダーシップも取れる経験豊富なベテランを獲得できると、若手ばかりのチームに安定感をもたらすことが可能です。
若手にとってベテランはメンター役としても重要で、今のグリズリーズにメンター役がいないので必要かと思います。
後半戦の日程はリーグ首位のジャズとの連戦など今月は厳しいものとなっています。
ジャズ相手に1勝でも出来たなら、グリズリーズはプレイオフ進出レースを持ちこたえることができるのではないでしょうか。
◎ダラス・マーベリクス
■前半戦終了時の成績:18勝16敗(ウエスト8位)
■後半戦の目標:ディフェンスの改善、ドンチッチをサポートできる選手の獲得、プレイオフ進出
■補強ポイント:有力控え選手の獲得、実力派シューターの獲得
前半戦を終えてもっとも期待外れだったチームがマブスでしょう。
『リーグの至宝』とも言えるルカ・ドンチッチを擁しながらカンファレンス8位(一時は12位まで下降)という不甲斐ない前半戦の結果に驚きしかありません。
チーム第2のスターであるクリスタプス・ポルジンギスが開幕からしばらく欠場することは折り込み済みだったとはいえ、エースのドンチッチは個人としてはシーズンMVP候補になるほどの活躍を見せていますが、ドンチッチをサポートしなければいけない選手が攻守ともにインパクトに欠けており、ドンチッチの孤軍奮闘状態が続いています。
チーム首脳陣の責任は重いと思います。
弱点であるディフェンス強化のためにオフに獲得したジョシュ・リチャードソンやジェームズ・ジョンソンはチームにフィット出来てないばかりか、期待されたディフェンスでの貢献も少なく、ディフェンスは弱点のままです。
オフェンスは昨季の絶好調が嘘かのようにチグハグで低迷の原因となっています。
ティム・ハーダウェイJr.の不調もありますが、オフに移籍したセス・カリー(現シクサーズ)の退団はマブスのオフェンスにとってかなりの痛手だったようですね。
センター陣の実力不足も顕著で、仕方なくポルジンギスが先発センターを務めている影響でPFが人材不足に陥っています。
最近では、ポルジンギスがドンチッチの相棒にふさわしいのかが議論され始めており、オーナーが失格の烙印を押せばトレード要員になりかねません。
3ポイントも改善すべき事案です。
試投かすはリーグ上位ながら、成功率はリーグ最低レベルと情けない状況で、3ポイントシューターの獲得も重要度は高いので、優秀な3&Dの選手の獲得は必須です。
後半戦は開始から厳しい戦いがつづきます。
今月は1試合を除いてほとんどがウエストのチームとの対戦で、クリッパーズとの連戦もあります。
今月中に敗戦が多くなり、プレイオフ進出が難しい事態になれば、ポルジンギスをはじめ主力の放出もあり得ます。
最悪の事態を避けるためにも今月は踏ん張ってほしいですね。
ドンチッチ擁するマブスがプレイオフ進出できなかったら、それは事件です。
◎ニューオリンズ・ペリカンズ
■前半戦終了時の成績:15勝21敗(ウエスト11位)
■後半戦の目標:ロンゾ・ボールの処遇、プレイオフ進レースへの参加
■補強ポイント:ザイオンの控えPF、ディフェンダー
ザイオン・ウィリアムソン、ブランドン・イングラムを中心とした若手有望株の揃う期待のチームだったペリカンズですが、開幕して最初の15戦で10敗してしまい、期待のチームへの疑問符が沸きだしました。
原因としてはドリュー・ホリデー放出によるリーダーの不在によってまとまりが無くなったことや、新任のスタン・バンガンディHCに選手が慣れていなかったこと、昨季は出場時間を制限するなどしていたザイオン・ウィリアムソンが今季はフル活動していることで、周囲がザイオンに合わせるのに苦労していることが挙げられます。
ザイオンとイングラムはともにプレーメイクも可能で、オフェンスではこの二人がオールラウンドな活躍で牽引しています。
しかしディフェンスでは経験不足が露呈しており、相手にいいようにやられていることが負け越している要因でしょう。
この二人にチームの将来を託すのは正解ですが、サポート体制をしっかりてな整えなければいけません。
後半戦から来季に向けてはディフェンスの得意な選手を獲得して、チームディフェンスも強化していく必要があります。
今季終了後に制限付きFAとなるロンゾ・ボールの扱いをどうするかも決めなくてはいけません。
PGとして優秀ですが、バンガンディHCの戦術にフィットしていないのは明白です。
ボールは制限付きFAなので来季開幕まで猶予はありますが、不調のJJ・レディックなどは見返りがある今季中に放出する方が得策でしょう。
後半戦開始後の今月はなかなか厳しい日程になっています。
今月を負け越してしまうと、プレイオフ進出はかなり厳しいと言わざるを得ません。
今月が正念場ですね。
◎ヒューストン・ロケッツ
■前半戦終了時の成績:11勝23敗(ウエスト14位)
■後半戦の目標:来季以降の将来を見据えたチーム作りへの着手、ロスターの見直しと整理、ハーデン時代の選手の一掃(放出)、再建の柱を誰にするかの決定
■補強ポイント:PJ・タッカー、ビクター・オラディポの放出
今季はラッセル・ウエストブルックのトレードで獲得したジョン・ウォールやブレイクをはたしているクリスチャン・ウッドなどの活躍でそれなりに戦えていますが、ジェームズ・ハーデンをトレードで放出した時点で1つの時代が終わりを迎え、再建モードに突入しています。
まず再建の柱を決めなければいけませんが、現時点ではクリスチャン・ウッドになるでしょう。
しかしチームが再建の柱にしたいのは今季終了後のドラフトで指名されるであろう若手有望株であって、今後数年は豊富なドラフト指名権を所有しているので、そこで金の卵を獲得したいですね。
またハーデン時代の遺産を処分して、新しい時代に向かいたいでしょう。
遺産とはPJ・タッカーやエリック・ゴードンのことです。
補強戦略は選手獲得よりも放出がメインになるのではないでしょうか。
今夏のドラフトの結果によってはジョン・ウォールの放出が検討されるかもしれません。
今季のロスターで来季も安泰なのはクリスチャン・ウッド、デイビット・ヌワバくらいでしょうか。
トレードデッドラインまでに複数選手がトレードされても何の不思議もありません。
後半戦は選手を放出するなら勝てるチームではなくなりますが、再建中であるため勝利より若手の育成や来季以降も残していく選手の見極めに有効活用するでしょう。
クリスチャン・ウッド、デビッド・ヌワバ、ケニヨン・マーティンJr.などを中心に出場時間を増やして育成していくべきですね。
一流PGの模範となるジョン・ウォールがいるのですから、オラディポなどとのトレードで若手有望株PGを獲得して一緒にプレーさせて成長を促進するのも良い手段かもしれません。
ロケッツにとって今季の勝利は二の次です。
手っ取り早く強豪チームに返り咲くために、今季を犠牲にするのでしょう。




