あなた達は高校何年生なんだ
「齢65歳の高校3年生じゃ。」
と龍二さんは静かに言い切った。
「絶賛留年中じゃ!」
大鬼さんも力いっぱい言い切った。
その言いようから、何一つ悪びれる様子はなかった。
留年して、大会で続けるってありなのか?
旧世紀の高校野球の大会には、19歳未満、同一学年での出場は一回のみと言う規定があるが、この世界は基本的に卒業後の進路は霊子サーバーのメンテナンスを行うことであり、そのために特別に受肉している。
そのため、各自自分の使命。仕事を把握しているので、そこまでロボコンに対して固執する事態にはならなかったであろう。
もはやこれは世界のシステムのエラーだと言えた。
「それにしても、そんな年まで大会の規定が変わらないとかあるのでしょうか?」
聡次郎は呟いた。
「なに、わしらが大会の委員長と、副委員長じゃからな。」
「それに、仕事も普段やっておるぞ。サーバーのメンテナンス。」
前世の記憶を持って生まれるこの世界において、あまり年齢は関係ないのかも知れないが、風子にとってはそれは大きなハンデに思えた。
「大人げない……」
「ひょひょ、大人げないとな!?」
「主らも、実年齢的には変わらないであろうに……」
「確かにまともに、10数年生きただけの人間に、これだけの多脚戦車やら、ロボなんてつくれないだろうけど、確かに龍二さんたちの娯楽と考えると、この大会の無茶な歴史もわかる気がしますね。」
「そうじゃろ……そろそろ多脚ものもいいが、高出力な二足歩行ロボの戦いがしたくてのぅ……各校に霊子装甲のコクピットユニットを提供するには、かなり手間がかかったわ……」
「そうじゃなぁ、多脚戦車で各地を巡り、かつての戦争で使われていた霊子装甲を回収して、龍二とワシで整備して、動くようにしたんじゃよ。」
大鬼さんの筋肉の発達は、その発掘作業のたまものなのか?それは疑問だが、間違いなく日焼けはそのせいだろうと風子は思った。
「趣味人……」
「すごい……すげぇぜ!じいちゃんたち!」
「世界各地を巡って機体を回収していて、サーバー管理ってできるものなの?」
「サーバー管理の仕事の中には、この地球の環境調査の仕事もあってのう……そのついでじゃ」
「有能……なんですね。」
「そうじゃ、生の脳みそなので、多少劣化が気になってきているが、まだまだ若いもんには負けんぞ?」
龍二さんは、立派な眉毛の奥の瞳を鈍く光らせてにやりと笑った。
「そうじゃ、我々も、童たちとは反対側のトーナメントの若人たちを打倒してきたのじゃからな!」
大鬼さんは、たくましい腕を組み、自慢げに胸を張った。
「では、かいつまんで、そのあたりをざっくり説明してやろうではないか。」
「そうじゃな、そこで対策を童らに立てさせてから、叩きのめしてやろうじゃないか!なぁ、龍二よ。」




