睡眠剥奪
「で、結局大した作戦もなく、試合当日なんだが、どうする?」
「知らないわよ。当たって砕けるしかないじゃない?」
ワイワイと四人で話していたが、ついに朝を迎え、四人は大会の会場に向かった。
「眠いよ聡次郎ちゃん……」
「智子さん、頑張ってください。これが忍者軍団の手なのか知れませんね……卑劣な……」
睡眠剥奪と言う拷問がかつてあったらしい。人間の三大欲求である睡眠欲を満たさない。人間性を奪う拷問とされている。
ちゃっちゃと終わらせて帰る。
これが四人の気持ちだった。もはや願い。願望。欲望と言っていいレベルだった。
風神さまと雷神さまの暖機運転を済ませ、最初から最大推力と攻撃力で戦いを終わらせる。相手がどのような戦略を取ってこようとも、一瞬に近い速度で終わらせる。
それが、智子と聡次郎が提案した戦略だった。頭脳担当からの脳筋的作戦。
風子と雷蔵はそれを快諾した。
今回のマップは古い漁村の跡地の様な場所だった。
長年人の手が入らず海風にさらされた町は、金属部分が真っ赤にさび落ちていた。
かつての木造の家は崩れていて、ほぼ荒野だった。
もともと、坂の多い村であったのだろう、高低差がある町のつくりだった。
地面を歩くには地味に手間を食う作りフィールドだった。
上空を飛んで移動する方法はあるが、当然狙い撃ちにされてしまう。
破壊目的のオブジェクトは、かつての漁港にある小さな船だった。今回はお互い船だった。
フィールドは海も含まれていたが、海を行くのは無謀だった。
地上や上空を移動する方が早く、水中を移動している間に、勝負が決まってしまうためだ。
ここまで開けたフィールドで、海風もあるため、煙幕を巻かれる可能性としては低くなる。つまり先の戦いの勝利パターンを相手は使ってこないと言いう事は、ほぼ明白であった。
「どちらにしても、戦法を推測しても始まらなかったわけか……」
そう雷蔵は愚痴を吐いた。
風子はフワフワと機体を上空に浮かべていた。
「フワフワとゆらゆらとしていて、、、zzz、、、あ、眠い…」
少し浮いただけで、海がキラキラと輝いて、眠気を誘った。
キラキラと輝く海に違和感を感じた。
良く風景を見たら、海に黒い管が立っているのが見えた。
「あれ……まさかね。」
そうこうしている間に、アラームが試合の開始を告げた。




