キョンシーロボの苦悩
ビョンビョンとキョンシーロボはひたすら相手の陣営を目指して移動していた。
上空ではすでにひと悶着あったようだが、キョンシーロボが相手陣営にたどり着くまではだいぶあった。
一人取り残された感のあるキョンシーは少しむすっとしていた。
死体設定なので表情をあまりでないようにしなくてはいけないキャラクターだが、本当の本人は飲み会や、パーティが好きな青年だった。友達も多い。普段よくしゃべり、生気に満ち溢れた彼が、死体キャラと言うのが、身内にバカ受けだったので気をよくしていたが、よくよく全国大会で知り合いなどいないのだから、それで笑いが取れる訳ではないことに、ここ数日気が付いた彼は、相当にイラついていた。
そもそも障害物の多いフィールドでじっくりと戦略的な戦い楽しむのが醍醐味のはずが、さっさと上空で戦い始めるのは、非常式だとキョンシーは思っていた。
それにしても相手の陣営の遠さには、イラつきを感じていた。
キョンシーロボには、相手の排出する二酸化炭素を感知する機能がついているので、相手と自軍のチャイナドレスロボの位置は正確に配置していた。
吹き飛ばされた相方は、後方に吹き飛んでいるようだが、どうやら戦闘不能という訳ではないということは把握できていた。実際こちらに合流するために、後を追いかけて来ていた。
キョンシーロボの武装は、雷神さまと同様に近接特化タイプだった。
腕を伸ばして攻撃して、指先の爪で相手を切り裂くタイプで、ジャンプと組み合わせて相手を翻弄する。見せ所は、雷神さまにジャンプで踏み台にして、風神さまに飛びかかると言うのが、彼のイメージトレーニングだった。
「ん?まさか」
前方から熱源反応が近づいてくのが見えた。
ビル群があるのに、その熱源はどんどんとまっすぐ近づいてきているのをとらえた。
間違いない、建物をぶち抜いて突進してきている。
キョンシーロボはジャンプして上空に逃げる。
キョンシーロボの居た位置に次の瞬間、雷神さまがビルをぶち抜いて現れた。
空振りしてそのまま通りを直進したが、上空に逃れたキョンシーロボに進行方向を切り替えて、上空に突進してきた。
キョンシーロボはビルを蹴りつけると、その攻撃をさらりと避けた。
そのまま再度ビルに再突入した雷神さまがまき散らした、ビルの破片がビシバシと当たった。下手をするとこの破片だけで当たり所が悪いと行動不能になる可能性を感じた。太ましい形状の風神さま、雷神さまに比べると、中国チームの機体は、高機動タイプだった。防御力としては、すこし不安があった。
雷神さまはビルの上層階まで、ぶち破り上空から切りかかってきた。
「早いっ!」
雷神さまの機動力は直進性に関してはキョンシーロボの機動性を越えていた。
やられると思ったキョンシーだったが、すんでのところで、雷神さまに対して、側面から蹴りをくらわせたチャイナドレスロボに救われた。
ズガン!と、雷神さまはアスファルトにバウンドしながら、別の壁まで吹き飛ばされた。




