雷蔵の作戦
「え、作戦!?」
意表を突く雷蔵の提案に、風子はすっとんきょうな声を上げた。
「おう、作戦だ。」
「はぁ……あんたが突っ込んで行って攻撃して、私がディフェンスでよくない?」
「結局一回戦俺の活躍なかったなと……」
「え、ちゃんと引き付けていたじゃない?あんたが2人相手にしたから、私が落ち着いて狙撃出来たわけだし、活躍できていないというのは違うのでは?」
雷蔵は、意外としゃべってくれる風子に少し気おされていた。
「うっ……」
こいつの事だから、うるさい黙れとか言われるのかと思っていたのに、思いのほか自分の事を評価してくれていると言うことが分かって、嬉しさもあったが、表情に出ないように雷蔵は気を付けた。
「俺も目立ちたい……こう一撃必殺見たいな……」
「……前も言いましたが、雷神さまは近距離戦闘様に特化してあるから、武器はその二刀流の剣しかないのだよ。いわゆる浪漫タイプです。」
「浪漫タイプって……」
呆れ顔で風子は言った。
「ふふふ、実は昨日私思いついちゃったんだ……雷蔵くんあのね……」
何やら楽しそうに、智子が雷蔵に耳打ちした。
雷蔵は体を背の低い智子に合わせて傾けつつ、ふんふんと話を聞きながら相槌を打っていた。
そして、満面の笑みを浮かべて、高笑いを始めた。
「よし、俺が前面のオフェンスで行こう!」
「何がよしなのよ?何も変わってないじゃないの」
目に物見せてやるぜっ!そう言った感じで悪い笑顔を浮かべた雷蔵は、自分の愛機の雷神さまを眺めた。
そうこうしている間に、二回戦の開始時間になった。
格納庫から出た風神さまと雷神さまがフィールドには、前回の荒野とはうって変わって、ビル群の真っただ中だった。
これでは、遠距離から、相手のオブジェクトを狙撃するには、明らかに遮蔽物が多すぎた。
雷蔵は内心ほくそ笑んだ。
風子は自チームのオブジェクトを確認した。今回のオブジェクトはかつて噴水だったのだろうと思われるものだった。
ちょっと脆そう。2人はそう思った。
「脆そうだな……ディフェンスするには少し厳しい感じがするな。」
「うーーん、確かにね。このフィールドだと守るのも攻めるのも難しいかもね。」
「いっちょ、俺が激しく攻めて速攻で終わらせる方向でがんばろうかね?」
このフィールドでやられたら困ることは……そう風子はあたりを眺めた。
道が入り組んでいて、高出力での高速ダッシュは難しいことが読み取れた。
この狭い道を蛇の様にすり抜けて来たら、困るな……その可能性が無くはない。一回戦で見た中国チームのロボは、カンフー女子をモチーフにしたものと、キョンシーモチーフのものだった。
キョンシーとは妖怪だと聞いた。蛇の様な動きをする可能性も考えられた。
それは困るな……ため息をついて、風子は空を眺めた。
「あ、雷蔵。私作戦思いついたから、開始したらオブジェクト守っていてくれる?」
「え、俺がディフェンス?」




