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生徒会長の激励

 「えぇ、ロボット部の諸君はこれから、我が校の名声を広めていただくことになると思います。解っているとは思うが、負けることは許されません。何故?それはこの校舎を変形させるようなお金を使わせたことにあります。もちろんそんな予算はありませんので、本校の生徒、地域の企業様のツケでまかなっております。そのツケを払うためには最低限、大会で優勝して、賞金を入手する必要があります。」


 ロボット部の4人は、生徒会室に挨拶に来ていた。

 グラウンドでは、まだ生徒や、噂を聞きつけた商店街の人、町工場の人たちが、集まって見学をしていた。

 商店街の人、町工場の人にも今回の校舎変形については協力要請をしていたらしく、各々自分の仕事に満足したと言った表情でそれを見ていた。

 ザワザワとした喧噪を聞きながら、生徒会長に4人は激励と言う名の説教を受けていた。


 「聞いていますか智子さん?そもそも、作ったは良いけど、出庫できないとか……普通機械って出庫する時にばらすものかと思いますけど、何故分離出来ない仕様なのか……聞いていますか?」


 そう言って、生徒会長は智子を軽く睨みつけた。主には部長である智子が叱られていたが、本人はニコニコとしてそれを聞いていた。

 激励会と言う名のもとに行われるそれを、本当に激励と取っていた。


 「頑張るよ!今回は優勝出来ると思うんだ。」


 ふうやれやれと、頭が痛いと言った風に頭を押さえる生徒会長が、まだ説教を続けようとしていた。


 生徒会長は、黒髪挑発のメガネ女子だった。性格のキツさが表に出ていた。

 小言が永延と続くかに思えたが、聡次郎が口をはさんだ。


 「すみません、生徒会長……私もついていたのですが……」


 「あ、聡次郎くん……」


 生徒会長は少し後ろに下がって、口に手を当てた。だらしなくゆるめた表情を隠すためだ。

 明らかに頬を赤らめる生徒会長に、そういう事かと、風子と雷蔵は思った。


 「必ず勝利と栄光をわが手に帰ってまいります。」


 そう男らしく聡次郎は宣言した。


 「ズキューーーン」


 なにかに居打ち抜かれたような効果音を生徒会長は口にして、ふらついて後ろに後ずさった。


 「分かりました。なんにしても優勝してくださいね。」

 そう言うと、生徒会長は生徒会の席にもどった。


 「なんだかチョロい生徒会長だったな……。」

 良かったぜ!と言った感じで雷蔵は言った。


 「そうなんですよ。私たち3人は幼馴染なのですが、いつも彼女が迷惑をかけた各所に謝りにいったりしてくれるんです。」


 「ホント彼女には頭が上がらないよね。小言がちょっと長いけど。」


 「そうなんですよね……いつもありがたいですが、何故あんなに面倒を見てくれるんでしょうね。」


 「ふびんな……」

 そう風子は思ったが、そのまま口に出ていた。

 「ああ、報われないな……あれか?鈍感系主人公ってやつだな……」


 「ええ、こいつ絶対、「え、なんだって」って言うのよ。」

 女の敵ね!と言う様に聡次郎を後ろから睨みつつ指をさす。


 「え、なんですか?風子さん」

 眼光の殺気に反応して振り返る聡次郎は、言うも通り優しい笑顔を向けてきた。


 「……なんでもない……」

 「ヒロインじゃないけど、完璧な回答だぜ風子…」

 雷蔵はなんだかすこし楽しくなって答えた。


 楽しそうな智子と聡次郎を見て、本当に切ないなと、二人は思った。


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