ゲーム研究会のシミュレータ
「これがシュミレーターかぁ」
「違います。シミュレータです。」
風子がゲーム研究会の部室を見渡して感動していた。
一言目で、ゲーム研究会の部長と思われる男に突っ込みを受けた。
ゲーム研究会の部室は一般的な空き教室が使われていたが、その半分の面積に二台鎮座していた。
巨大な卵型のそれの中には、実際のコクピットを模したつくりになっていた。バイク型のシートが据え付けられていた。
全天モニターのスイッチを部長がいれると、風景が表示された。
「おお、宇宙空間……あれは、スペースコロニー?」
「ええ、趣味です。」
「実際宇宙に出て戦えとか言われないよね。」
「ええ、趣味です。」
「大会の主催者おかしいから、可能性あるかもよ。聡次郎たち一応大気圏突入用のプログラムとか、追加装備も設計するとか言っていたし……」
「アニメで予習したしね……無駄死にではない……」
「ええ、そのアニメも履修済みです。趣味レーターですから」
「え」
「いえ、なんでもありません」
メガネをくいっと上げて部長は恥ずかしそうにしていた。
「じゃあ、せっかく作ってもらったし早速模擬戦よってみようぜ。」
「そうね、実践あるのみ。」
風子はそういうと、バイクにまたがった。制服のスカートで……
部長は顔を赤くして、震える手でシミュレータの扉を閉じた。
「ま、まったく最近のハレンチは女子高校生でいかん……」
と暑は夏いなーと言うようなことを言った。
この時代にも、ゲームセンターはあった。何でも文化の保存という事らしく、町のゲームセンターは最新機種。温泉街には少しレトロなゲーム機。純喫茶にはさらにレトロなゲーム機が置いてあった。
家庭用ゲーム機も博物館ではなく、簡単にお買い求め可能であった。
個人差はあるが、この時代の子供たちもゲーマーであった。
だが、シミュレータとゲームは違った……
「ぐえぇ……」
雷蔵は呻いていた。このシミュレータがゲームであると勘違いをしていた自分を呪った。
智子の知り合いである。真剣に取り組んでいるのは想像できたはずであった。
「何!この加速感!ちょーたのしーーー」
「超はやめろ……」
バイク型シートから発せられる電気信号は脳に伝わり、疑似的に加速感を感じさせていた。筋肉はこわばり、油断していた雷蔵は強制的な筋トレを強要されていた。
風子は持前の適応能力の高さからすぐに順応していた。
雷蔵の乗る雷神さまは、強襲型の為、爆発的な加速感を味わうことが出来た。
風子の風神さまは、今の所空中を自由に飛び回ると言う様に、すいすいと動いていた。
「確かに強襲型とはいったが、これは結構しんどい。」
「逆に考えなさい。そんなバカみたいな仕様にしてくるチームはいないだろうから、あんたの一人勝ちじゃない!」
勝ったなガハハなノリで風子が言っているのが聞こえる。
「気合入れなさいよ!世紀末ヤンキーさま」




