今年の大会のルールを聞こう!
ロボコンの大会には、コアユニットが大会主催側から提供される決まりになっていた。
レギュレーションは、このコアユニットを使ってバトル用のマシンを作成することだ。
コアユニットには霊子機関が使用され、各チームでの極端な出力差が生じないようになっていた。
内燃機に用いられるような、ターボやスーパーチャージャーの様な出力UPを行う事は許可されていた。
もっとも霊子機関を自作していたら、大会を毎年開催するのは不可能だったので、毎度ありがたく使わせもらっていた。
「しかし、驚きましたね……」
「そうだね、聡次郎ちゃん……さすがにこれは……」
今回地区合同大会な理由が分かった。
ユニットはデカかった。今までの多脚戦車のユニットとは比べものにならない。霊子機関の出力も比べ物にならない。飛行するタイプの大会もかつてあったが、これは空中を飛んで、なおかつホバリングと戦闘が可能な出力だった。
コアユニットにはエンジンとコクピットがあった。
先に乗り込んだ風子から、声があがる。
「これ、SFのアニメ見たいな操縦席だよ。」
操縦席は、全天モニターを採用していて、その真ん中には、バイクの様にまたがるタイプのシートがあった。
風子は跨り、ステップ周りの確認と、操縦桿のスロットルを開けて見たり、レバー類の確認をしていた。
コアユニットは2セット供給されていた。もう一つのユニットには雷蔵が乗り込んでいた。
「こいつは……」
風子を除く3人は気が付いた。
いわゆる前世の記憶から、かつての戦争の被害を思い出させた。
「これは軍事兵器のユニットそのもの……」
聡次郎は珍しく真顔で言った。
「なんだか大会荒れそうだね……安全面は少し、大分気を付けないとだね。」
コアユニットと一緒に今回の大会規定とルールが送られてきた。
立体映像を発生させる板のついていて、音声とイメージCGが添付されていた。
基本は事前に入手した情報と同様で、各地区から2名のパイロットを選出して、2機の機体を作成してのバトルという事だった。
互いの陣地に、守護するオブジェクトが設定され、それを守りながら、敵陣営のオブジェクトの破壊を行うと言うものだった。
もちろん先に破壊したチームの勝ちだ。このときに相手チームのロボを妨害、破壊行為は良しとされていた。
シンプルなルールだった。
このオブジェクトは各試合で設定されるとのことだった。
作成されたCGのムービーでは、白いロボットと、赤いロボットが戦い、その背面にあるビルに砲撃を浴びせて破壊していた。
「破壊の規模が大きいですね……」
聡次郎がそのビルを見て言った。
これが、廃ビルなどなら特に問題ないが、旧世紀の爆発物などが残っていた場合、かなりの破壊規模になりえる。
大会の運営が事前に調査するとのことだったが、果たして大丈夫だろうか?
「どうにもきな臭い気がします。」
智子は聡次郎の言葉に無言でうなずいた。




