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興味出てきた

 「んだぁてめぇなんで多脚戦車乗ってこないんだよ!正々堂々つってるだろうが!この西校の「黄昏の金夜叉」と呼ばれた俺の事をバカにしているのか?」


 世紀末ヤンキーのいう事を、とりあえず聞いている風でうなずく智子を眺めつつ、風子は呆れた様子で雷蔵を睨みつける。

 いや、さっきまで「金色の雷神」とか言ってなかったか?そうは思ったが。面倒臭そうだったので、そこには触れまいと思った。


 「ん、ん、んだぁてめぇ……」


 少し恐れおののきつつ、頑張って睨み返す雷蔵だった。


 「とりあえず……」


 ようやく、口を開いた風子にびくりとする雷蔵。


 「おう……なんだよ」


 「明日で良いから、うちの学校のグラウンドの整備をきっちりやってね。」

 今日は解散と言わんばかりに、歩き出して後ろに手を振りながら風子は帰路につく。

 智子も置いて行かれては困るので、小走りでついてく。時々何もないところに躓きながら風子と手をつないだ。

 もう日はどっぷりと暮れてしまい、あたりは真っ暗だった。

 一輪バイクと、小型電気自動車が並走して帰った。


 「まぁ、そこそこ面白かったか……」


 なんだかんだ、楽しかったと風子は思った。


 「智子、明日他の多脚戦車も見せてよ。」


 インカムで、智子に話しかけた。


 「興味出てきた。」



 そう言うと、風子はアクセルをいっぱいに回して加速した。




 ぽつーーんと残された雷蔵は、ため息をつくと、多脚戦車に乗り込んだ。

 霊子エンジンを起動させると、エアコンをかける。

 うむ適温。バイクなんてエアコンついていない乗り物に乗っている時点で、俺の勝ちだと雷蔵は思った。

 「はぁ、明日の放課後はグラウンド整備かぁ……」

 服装どうしようかな?体操着か?いや、ここはヤンキー的なスウェットだろうか?

 そんなことを思いながら雷蔵も帰路についた。




 「好敵手かぁ」


 智子は思った。身体能力も頭のキレも良い親友の風子。彼女はどこか常にかったるそうにふるまっていたが、何か燃えるものさえ見つければ、必ずひとかどの人物になるであろう……

 雷蔵と言う少年が、ひょっとしたら風子の好敵手になりうるのであれば嬉しい。

 親友として、智子は素直にそう思っていた。

 また、ロボット部の部長としては、そんな風子が本腰を入れてパイロット業に打ち込んでくれれば、全国制覇も夢ではないとふんでいた。

 今年のロボットコンテストの大会規定は、なかなか面白いことになっていた。

 恐らく、カチコミに来た雷蔵の狙いもそこにあったのだろうが、出鼻をくじかれてしまって何とも言いだせないだろうなと智子は思った。


 自分の思う方向に、物事が転がり、進展して行く様は、楽しいなと思ったが、ちょっと狡賢い悪い組織の首領見たいだなと、自分が恥ずかしくなりつつ、自分も家路を急いだ。

 今日はよく眠れそうだ。


 「まずは、何年度の多脚戦車を見せようかな?」


明日から風子をどうマインドコントロールするか楽しみだった。


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