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 ところが、その翌朝のこと。

 一晩寝たことで昨夜(ゆうべ)の興奮が冷めてきたイスケは、どこか心の中がモヤモヤとしていました。

 いつものように魚を平らげ、自慢の頭をカッコよくセットした後も、どこかスッキリしないイスケは、小高い丘の中腹にある夢フクロウの工房で、そのことを打ち明けました。


「ふむ。それは、イスケが成長して、大人に近付いた証拠かもしれんのぅ」

「どういう意味ですか、博士?」


 イスケが夢フクロウの博士に聞き返すと、博士はスケートボードを手入れする羽根を止めて言います。


「どうしてバクが、夢の実を食べるのを()めないか、よ~く考えてみることじゃ。さすれば、本当の正義とは何かが見えてくるじゃろう。ホッホッホ」

「どうして、バクは夢の実を食べるのか、かぁ……」


 イスケが羽根をくちばしの下に添えて考え込みはじめると、博士は再び片羽でドライバーを持ち直して言います。


「荒っぽい使い方をしてくれたおかげで、ちぃとばかし修理に手こずりそうじゃから、今夜は早く寝るんじゃな」

「えぇー。直んないんですか?」


 不満そうにイスケが地団駄(じだんだ)を踏むと、博士は(たしな)めるように言います。


「ならんものは、ならんわい。それだけ持って、今日は帰りたまえ」

「は~い」


 イスケは地団駄を止め、ゴーグルだけを持って工房をあとにしました。

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